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2013/10/17

2013.10.3 ENENEWS:ハフポスLIVEが個人で実施中の全国鼻血実態調査を取り上げる

私が個人で実施中の全国鼻血実態調査について10/1付けの記事で取り上げたENENEWSの編集部から,「10/3付けの記事でも貴殿の活動を取り上げた。ハフポスLIVEで貴殿の活動を取り上げられたことはご存じか?」という旨の情報が届く。さっそく,確認してみた。

News program discusses recent reports of nosebleeds in Japan, shows ENENews article — Professor: International consortium of scientists needed to take this on (VIDEO)

ニュース番組で日本の最近の鼻血調査報告が取り上げられる
「国際的な科学者の集まりにより行動を起こすことが必要」と専門家


司会: 未確認の情報の話をするのはとても嫌なんですけど,とくに,それが1つや2つのソースのみで成り立っている時は・・・。しかし,これがそこに住む人々にとってどうい意味を持つのかということを真摯に考えてみると・・・。(中略)鼻血や悲惨な症状が見られるという未確認の報告が届いています。(中略)これが,そのことを報せるツイートで,ある動画にリンクしています。鼻血のことは置いておくとしても,これらのことが何を意味するのかという文脈において説明してくださいますか。

その動画:


ティモシー・ムソー教授(米サウスカロライナ州立大学の生物学の教授): ここで必要なのは,国際規模の科学者のコンソーシアムにより,開かれた形で,一致して,この問題に本格的に取り組むことです。すなわち,こうした報告や,起きていることの記録を残す手法を確立することです。現在,原発作業員や一部の子どもたちの状況を記録するという,狭い範囲で行われる取り組みは存在するが,これは極めて,たいへんに限られた範囲で行われていることであり,また許可無く国際社会に向けて公開されない。したがって,収集されているデータは少ないし,収集されているとしても手元に置かれてしまっているので,我々は殆ど現状を知る術がないのです。

動画ニュース:(9:07~10:30迄)http://live.huffingtonpost.com/r/segment/worldbrief-with-ase-october-2-2013/52449412fe3444573f000115

2013/09/20

《コラム》2013/9/19付R25石田衣良コラム「光り輝く2週間」への失望と怒りの檄


全文転記


今朝早く2020年の東京オリンピック開催が決定した。ぼくは暗いうちにベッドのなか、スマホで確認したのだけれど、どにかくうれしかった。久々の爽快感。ガッツポーズの5分後には、また眠ってしまったけれど。

ぼくも東京オリンピックの記憶はごくわずかしかない。あれは4歳のころ、まだ白黒だったテレビで眺めた開会式とマラソンの映像がかすかに残っているだけだ。ただ大人たちが「オリンピックはすごい」「これで日本も世界の一流国の仲間いりだ」と興奮していたのを、不思議な気分できいていた。幼稚園児だったので、駆けっこの大会を東京で開いたからといって、なぜ一流国なのか意味がぜんぜんわからなかった。

夏季冬季をあわせて、これまでもっともたくさんオリンピック開いたのはアメリカの8回、ついでフランスの5回である。今回の決定で日本も4回目で、単独第3位になる。4位グループにはイギリス、ドイツ、イタリア、カナダがいるのだから、一流国というのも間違いではない。今回、選考にもれたトルコはイスラム圏初をアピールポイントにしていた(次回はぜひ、がんばってもらいたい!東京開催が決定したあとのトルコの人たちの祝福の言葉は実にあたたかかった)。未開催なのはなにもイスラム圏だけではない。アフリカ大陸にオリンピックがいったことはないし、次回のリオ・デ・ジャネイロ大会まで南米大陸で開催されたこともないのだ。アスリートの祭典は、まだ先進国主導なのである。

最終プレゼンはぼくもリアルタイムで観たけれど、限界までジェスチャーを豊かにした英語のプレゼンテーションには素直に頭がさがった。いや、日本人にあれは厳しいよなあ。ぼくにはとてもできない。でも、はずかしいなんていってられないし、勝たなければこれまでの活動は水の泡だ。なにより日本中の期待を背負っている。プレッシャーは半端ではなかったことだろう。ご苦労さま。

ことによかったのが、パラリンピック女子陸上の佐藤真海選手だった。骨肉腫で右ひざから下を失い、日本代表選手になったのち、故郷の気仙沼が東日本大震災に遭う。家族の安否は6日間わからなかったという。再度の衝撃から立ち直れたのは、スポーツの力があったからだと訴える笑顔は、どの国の委員の胸にも響いたはずだ。

安倍首相のプレゼンも見事。ぼくもこの春、フランスにいったからわかるのだが、海外のジャーナリストがインタビューの最初に質問するのは、必ずといっていいほどFUKUSHIMAである。半年まえはまだ汚染水はこれほど話題になっていなかった。それでも相手を納得させるのは、たいそう困難だった覚えがある。

これで福島第一原発の問題を終息させるのが国際公約になった。けれど、ぼくは本心ではあまり心配していないのだ。政府や東京電力を信用しているのではない。きっちりと期日を定め、計画を完遂する日本人の生真面目さを信じている。みんなでフクシマをなんとかしよう。もう他人事ではないし、世界中が注目している。東京オリンピックを成功させるためには、早々に片付けなければならない仕事だ。

さて7年後、きみはいくつになっているだろうか。まだ同じ会社や同じ部署にいるか。すこしは昇進して、給料もあがっているか。人脈も増えて、仕事の肝をつかんでいるか。若いきみがこれから身につけるスキルは、きっと生涯役に立つはずだ。変化はなにも仕事だけではない。プライベートはどうなるか。今つきあっている相手と別れているか、結婚しているか。もしかしたら、子どももいるかもしれない。それもひとりではなく、複数の可能性もある。

未来がどうであれ、7年後の夏には光り輝くような2週間のお祭りが待っている。その日をたのしみに今日を生きよう。



以上、9/19付R25石田衣良のコラム
『光り輝く2週間』の連ツイはこちらで読めます。

あとがき


石田さんらしい、やわらかい調子の温かみ溢れる、よいコラムだった。あまりに温かすぎる=ほんわかしている=現実を無視し過ぎているという点を除いては、日本人として東京オリンピックの開催日を誕生日に持つ者として、共感できることが多々あった。

だが、失望は隠せない。

私は日本人の良いところばかりを信じて、ただよい結果が得られるという楽観的な観測はもう抱けない。日本人が「きっちり期日を定め」「計画を完遂する」生真面目さを持っている一方で、その「計画の完遂」という大義のために何が失われてきたか。ちょうど今日の日経が、そのことを記事に書いていた

日経が取り上げたのは、私の考える「本質的に失われたもの」とは違う。これが、所詮経済誌の視点ということだ。石田氏はコラムで幼少の頃「日本が世界一流国の仲間いり」を果たしたと湧く周りの大人を不思議に思ったと書いてる。

私は今も不思議に思う。

先進国入りも果たし、経済大国となり、軍事大国となった今も、「こんなに湧く」国民性は一体何なんだろう。しかも、それが何も大きな問題に直面していない普通の状態でならまだわかるが、未だ国難といえる状況にいる只中で。

2008年、約50年前に幼少だった石田少年が経験したであろう熱気に包まれた新興国があった。アジアでの20年降りの開催、そして初の開催国となった中国だ。奇しくもコラムにあったように日本は4回目の開催だ。何をそんなに浮かれることがある?

日本は未だ国難の只中にある。その中で、歴代政府は多くの国民や世界の人々が危惧するような危機感を共有せず、知り得た情報を開示せず、都合の悪い事実は隠蔽し、現在の危機を現出させた。最大の責任は民間企業である東電にあるがその監督責任は免れない。

オリンピックを成功させるために「みんなでフクシマをなんとかしよう?」反吐が出る。“みんな”とは誰のことだ。一体誰が「なんとかする」実務に携わるのだ。一体誰がその直接的影響を受けるのだ。250キロ離れた東京の人々か。それとも被災者たちか。

これまで2年間。いや半世紀以上、「臭い物に蓋をしてきた」日本人が“みんな”で共有する「フクシマをなんとかしよう」という共通目標のために、一体何をすることが想定できるのか。政府・規制当局・自治体・企業・市民ぐるみの隠蔽ではないか。

08年の北京オリンピックの時に、中国の“一流国の仲間入り”を素直に歓迎できない輩がやたらと、中国の「ハリボテ・オリンピック」を揶揄したことはまだ記憶に新しい。あれもいってみれば中国流の「臭い物に蓋」をするやり方だ。だが「オリンピック成功」という大義を持った日本人は、同じ事をしないと言い切れるのだろうか。20年の開催を前に、同じような「ハリボテ」の見せかけの体裁作りが為されると危惧するのは、杞憂だろうか。もっとも、日本の場合のハリボテは物理的なものではないが。

7年後の日本の「ハリボテ」は、もっと醜悪なものとなるだろう。被災者を福島に封じ込め、放射能汚染水の脅威も福島に封じ込め、福島には原子力災害対策の国際的な研究支援センターなるものを作り、精神的なハリボテで世界を欺こうとするだろう。

実際、私たちは石田氏が「見事」と絶賛するそのプレゼンの中で、その片鱗をまざまざを見せつけられた。政府は幾らでもウソをつくつもりだ。それが「日本人の名誉である」かのように、同調圧力により、五輪開催に非協力的な情報を封じるかのように。

いま五輪開催を歓迎し、「その為に」“フクシマをなんとかしよう”と宣う人間は偽善者以外の何者でもない。五輪の為に福島をなんとかするべきなのか。その為の国際公約であり、その公約がなければ政府や国民は動かないということなのか。

嘆かわしい。

百歩譲って、では五輪のために福島が”なんとかなる”としよう。それが散々揶揄された中国の「ハリボテ五輪」とどう異なるというのか。新興国として初開催に漕ぎ着けた国と、我が国の精神レベルは同レベルなのか。まずはそれを恥じることから始めよう。

東京五輪があってもなくても、日本は世界に対して「フクシマをなんとかする」責任を負っている。その為にしなければならないことも、その重要性も、五輪の開催如何に関わらず変わらない。そうでなくては、日本は真摯にこの問題に初めから向き合っていたことの証明にはならない。

「早々に片付ける」?

そんなこと2年前から日本全体が一丸となって考えるべきことだっただろう。実際、一部の人は行動を起こした。決して多くはない一部の人々は、政府に訴えた。法的行動にも訴えた。ボランティア活動を行った。ネットワークを作った。仕事や家事を投げ打った人もいた。それをすべて、せせ笑いながら傍観していた者たちが今更何を言う。

偽善者らめが。

いま「福島をなんとかしよう」と堂々と発言することができるのは、2年半前から実際に「なんとかしよう」と動き続けてきた人間だけだ。後出しで「東京五輪を成功させるために」「早々に片付ける」なんていう精神で今更問題に関わろうとするなど片腹痛い。今更のように「国際公約だから」「後7年しかないから」という姿勢で、政府や東電に福島の問題に取り組むことを求める人間には口を噤んで貰いたい。

というより、恥を知れと言いたい。

その人間の一人に好きな作家の石田衣良が加わったことを残念に思う。

ひとつだけハッキリしたのは、東京オリンピックの開催が決定したことで、私は石田衣良とは正反対に、7年後生きていたくないという思いを一番強くしたことだ。だから「2週間のお祭りをたのしみに今日を生きる」ことはしない。そう生きられる人は、ある意味うらやましいが、そうなりたいとは思わない。

アメリカの人気コメディアン、ビル・マーがHBOの自分の番組の中で福島の #放射能汚染水 について語ったことの全容とその文脈(OBN) #EndEcodcide in #Fukushima #BillMaher

Bill Maher on HBO: Fukushima “should be page 1 of the newspaper every day” — I used to be on the fence about nuclear power, I’m not anymore — If the world is going to invade a country that’s poisoning us, it should be Japan not Syria (VIDEO)

ビル・マーのHBOでの発言:福島は「常に新聞の一面を飾るべきだ」「かつてぼくは原子力についてどっちつかずな立場をとっていたが今は違う」「もし世界が毒を撒き散らしている国に侵攻するなら、それはシリアではなく日本であるべきだ」


Published: September 17th, 2013 at 1:12 pm ET 
By  

出典: HBO
日付: 2013年9月13日
Bill Maher: He’s the coauthor of the upcoming book ‘Fukushima: The Story of a Nuclear Disaster ‘ and a senior scientist with the Union of Concerned Scientists’ Global Security Program, Dr. Edwin Lyman. Thank you for coming to enlighten us, I must say I wanted you here on our first show [back from the break] because I know this is your area of expertise. I keep reading about this in the paper, never on page 1 — way back in the paper. I just think if the world is going to get together and unite to invade some country that’s poisoning us, it shouldn’t be Syria. It should be Japan. Do you think Japan needs an intervention?

ビル・マー「本日のゲストは、間もなく出版される本『福島:ある原子力災害』(仮題)の共同著者の一人であり、憂慮する科学者同盟(UCS)で地球規模安全保障プログラムを担当する上級科学者でもあるエドウィン・ライマン博士。今日は色々教えてに来てくださりありがとう。博士はこの分野の専門家でいらっしゃるから、できるならば(復帰)初日のショーに起こし頂きたかった。(福島は)新聞ではよく読む話なんだが、一面には絶対に出ない。常に端っこに追いやられている話。ぼくは、もし世界が一丸となって毒を撒き散らしている国に侵攻するのだとしたら、その国はシリアではなく日本であるべきだと思ってるんだが、日本に対する介入は必要だと思います?」
Dr. Edwin Lyman , Senior scientist with The Union of Concerned Scientists, doctorate in physics from Cornell U. and postdoctoral research associate at Princeton U.: Japan definitely is not handling the situation on its own. And, to its credit, they've gotten the message and they are asking for help.". [...] The problem is that Japan had an idea about it’s nuclear industry that just wasn’t true. They thought that they had really mastered nuclear technology. And they had really fooled the rest of the world into thinking that. And then this happened, and we discovered exactly how bad their regulation was."
エドウィン・ライマン博士(テロップ:憂慮する科学者同盟(UCS)の上級科学者。コーネル大学で物理学博士号を取得。現在はプリンストン大学で博士号取得後の研究助手を務める)「日本は間違いなく、事態を持て余していますね。評価できるのは、やっとそのことを理解し、(国際社会に)協力を求めるようになったことです。(中略)問題は、日本が原子力業界について幻想を抱いていたことにあります。彼らは、原子力技術を完全に掌握したと勘違いしていた。そして周りにもすっかりそう信じ込ませていた。そしたら、この事態です。今までの規制がどれほど粗悪なものだったかがよく分かりました
Maher: I read that there are 300 tons of radioactive water leaking into the ocean every day. And this is two-and-half-years after the event occurred. This is what I think should be page 1 of the newspaper every day.[...]
マー「300トンもの放射能汚染水が毎日、海に流れ出しているという記事を読みました。しかも流れ出してからもう2年半も過ぎている。これは本来なら、新聞の一面を飾るべき出来事だと思うのだが・・・
Maher: In the years past, I’ve been on the fence about nuclear power. I’m not on the fence anymore. I’m like with Germany, as soon as this happened Germany went, ‘You know what? We’re out of this business.’ Because everybody says it’s safe, it’s so safe — except that any one accident, all it takes is one and then when it’s not safe, it’s super not safe. [...]
マー「かつてぼくは、原子力についてどっちつかずの立場をとっていた。けれども、もうそうではない。どちらかといえば、ドイツの立場だ。事故が起きてから、ドイツはすぐに「もうこんなことは続けていられない」と宣言した。誰もが"安全だ"というが、その"安全さ"というのは、一回事故が起きれば吹っ飛んでしまうような"安全さ"だ。そしたら、もう"安全"ではなくなる。もはや、全く"安全"ではない。
放送を全て観る(要有料購読)
無料動画(要無料購読)もあるが福島の発言部分は何故か公開されていない
実際の発言集

(C) 2013 All rights reserved. OBN

2013/09/13

ヒギンズ弁護士、アンゴラのエコサイド禁止条約成立に向けた作業チーム設置の動きを警戒(OBN)

「私たちの仕事はまだ終わっていない」
"Our job is not yet done"

エコサイド運動の指導者、アンゴラ政府の動きに注意を促す

2013.9.13 OBN

エコサイド条約作業チームの設置を決定したアンゴラのサントス大統領

(13日 OBN)現地アンゴラプレス(ANGOP)によると、エコサイド(生態系破壊罪)は、ある領域における様々な生態系の人為的あるいはその他の要因による破壊または劣化により、住民による完全な資源の開発を疎外する行為と定義される。
同紙は13日、国連において「エコサイドの禁止に関する国際条約(International Convention against the Ecocide)」について、加盟国の間でこれを協議、承認し、推進することを決定したと報じた。その目的は、「地球および全ての生物を害悪から守り、事象の責任を問われるべき機構、組織及びその指導者らの責任を法の名において追及することにある」という。
同紙によれば、各国の行政府は、「エコサイドに取り組むための国家機関の創設や、環境保護を所掌する国際機関との間で法令や規制の執行について協力し、技術支援の供与や情報交換を行うこと」を求められる。大統領に任命された作業チームは、環境大臣によって統括され、その他エネルギー・水産省、内務省、石油省、国防省の代表者がそれぞれ参加する。
作業チームの任務は「エコサイド禁止条約」の草案を精査し、国内法体系への影響を調査することにあるという。また経済開発に関する法的枠組みを構築し、国際協力を推進・支援し、エコサイド防止のための技術的支援を行うこと、さらに、環境教育により政府官庁間での情報、広報、啓蒙を推進し、脅威にさらされた地域を特定し保護するという任も負う。
この報を受けて、英国で「エコサイド撲滅運動」を主導してきた弁護士のポリー・ヒギンズ(Polly Higgins)女史(TEDx動画 | 動画書き起こし)はこう忠告する
「この定義の核心には、資源の開発問題への意識がある。ここでは本質的な価値観が、企業の価値観にすげ替えられてしまっている。私たちの仕事はまだ終わっていない。」

"What I see is the co-opting of intrinsic values for corporate values. This wording has at its heart the development of resources. 
So our job is not yet done. "
そして、こう訴えかける。
「この法律は人々や地球の生命を最優先とするための法律であって、資源開発や利益を保護することがその目的ではない。エコサイド法を正しく伝え続けることによってしか、この法律の本質を守ることはできない。皆さん、どうかご協力ください」

"This is a law that has been proposed to put the life of people and planet first, not to put the safeguard of profit and resource exploitation first. Only by continually shining a light on the law of Ecocide can we ensure that the intent behind the law remains true. Can you help me do this?"

アンゴラ政府のエコサイド条約成立に向けた動きは歓迎すべき動きであると同時に、こうした動きの裏には、国家と産業の思惑がその背景にあることを常に意識し警戒し続けなければならない。



(C) 2013 All rights reserved. OBN


2013/09/11

2013.9.11スピッツNEWアルバム『小さな生き物』発売記念トリビュート:英訳版(仮題)"Li'l Creatures" / Spitz (Singable adapted draft Ver.2.0)



"Li'l Creatures" / Spitz

Words/Music by Kusano Masamune
Adapted by Office BALÉS (*singable DRAFT version)
*means you can literally sing along with the melody

Original lyrics (Japanese)

I'm not gonna give up
I'm a living creature, yes I'm
I have my own
I wan't to protect

I want to embrace 'em
Share the warmth 
with these li'l creatures
in this li'l world
This tiny tiny world

It's true it could have been better
If I hadn't known anything
If I hadn't known all that much at all
But I still keep on dreaming
The same dream that I've dreamed of
The same foolish dream I dreamed of

Rain keeps falling onto those, who
are too afraid to leap ahead, ooh
But I still keep on walking
walking all the way ahead
wherever it may lead us to

I'm not gonna give up
I'm a living creature, yes I'm
I have my own
I wan't to protect

But I hadn't known that
there were these li'l creatures
So I go again
to the far end of this world 

No matter how deep we bury it underground, yeah
they wouldn't vanish into thin air

So let's start from the beginning
without deceit reveal yourself
tell us only the naked truth

I'm not gonna give up
I'm a living creature, yes I'm
I have my own
I wan't to protect

I want to embrace 'em
share the warmth 
with these li'l creatures
in this li'l world
This tiny tiny world

Ooh...

--

From their new album released TODAY,
9.11.2013, marking two-and-a-half years
anniversary since 3.11.2011 in Japan.

2013/09/03

《緊急和訳》シリア情勢に関する声明 - 国際危機グループ(ICG) 2013.09.01

シリア情勢に関する声明 - 国際危機グループ(ICG)

Syria Statement - International Crisis Group

ブリュッセル  |   2013年9月1日
米連邦議会が承認するという想定の上、米国政府は(幾つかの同盟国とともに)シリア体制側の目標に対する軍事攻撃をまもなく開始すると思われる。仮にそうなった場合、米国はシリア市民の利益からかけ離れた理由により行動したこととなる。

オバマ政権は、化学兵器の使用を予防、抑制し、処罰する必要性を説いてきた。これは擁護可能な目標ではあるが、これまでの紛争の中でシリア市民はより凄惨な残虐行為の被害に遭ってきている。しかし、彼らを守るための集団的行動はほとんど取られてこなかった。
米国政府はまた、化学兵器の使用を「レッドライン」としたオバマ大統領の方針に従い、米国の信頼性を守るために(攻撃の)必要性を説く。これも理解可能な目標ではあるが、シリア市民の共感は得難いであろう。残虐さを批難したり、抑止力を発揮したり、米国の信頼を回復したりすることよりも、何よりも先ず、シリア市民の福祉が最優先の目的とされなければならない。この目的は、軍事攻撃が発令されるか否かによらず、持続する停戦合意を通じた政権移行という、広く支持される方法によってしか達成し得ない。  
それがいかに規模が限定され緻密に計算されたものであったとしても、米軍による軍事攻撃は、それを事前に正しく推し量ってみれば、基本的には徒労にしかなり得ない。
紛争が凄惨かつよく見られる最悪の方向へと推移しているとき、そしてそれがまさに沸騰点に達しようとしている地域で起きるとき、そこには必然的に、強力な不可測要素が生じる。すなわちのその結果は、まったく予測がつかないものとなる。それでも、それ(米軍の攻撃)が何をもたらすか、あるいはもたらさないかについては、幾つかの予想を立てることはできる。
  • 軍事攻撃は決して、最低限の国際コンセンサスすら得ることも、また作ることもできないであろう。その意味では、どんなに必須であっても、体制側による化学兵器使用の確固たる証拠を見つけようとすること自体が不毛な試みといえる。2003年のイラク侵攻の前提となった偽りの事実、そしてそれ以降、国際社会で進んだ多極化、そこへさらにシリア紛争の力学が加わると、米国が証拠とするものは米国に不信を抱く者を説得するには不十分であり、また疑いの目は広範囲なものとなるであろう。
  • たしかに、常習的に犯行が行われた場合にはより激しい処罰が待っていると思わせることで、将来の化学兵器使用を抑える効果はあるかもしれない。これ自体は、十分に成果といえるのであろう。しかし体制側がその生存をかけて戦っているのだとしたら、このような考察もあまり価値を持たないであろう。また反対勢力も類似の兵器を使用する誘惑に駆られ、正に米国の介入を促すその目的のために、実際に使用した場合にそれを体制側の責任とするかもしれない。
  • そうなれば、体制側が反政府勢力や反政府勢力の勢力圏に対し報復を行い、また反政府勢力も、時に乗じようとして策動することで、暴力がよりエスカレートしてしまうかもしれない。  
  • 体制側やイラン又はヒズボラ等の、おそらくイスラエルに対する報復により、地域的又は国際的に紛争がエスカレートする可能性は、無いとは言えないが、リスクが高すぎるためその蓋然性は低い。ただし、これは(米軍の)攻撃の規模にもよる。
  • 体制の転覆を目的としない軍事行動(米国によれば)は、現場のすう勢にすら中長期的な影響を及ぼすことはないかもしれない。体制側は、米国の攻撃を耐え抜いたと、プロパガンダにより勝利を喧伝するかもしれないし、むしろ国内外の世論を「反欧米」「反帝国主義」の錦の旗の下で結束させようとすらするかもしれない。 
軍事攻撃を行う上で最も重要な究極の問題がある。すなわちそれを、その「後」で、紛争の解決を促進する外交的努力に結びつけることができるかどうかである。これまでの経緯からいえば、結びつかないであろう。彼ら自身が非合法的かつ不当であるとする攻撃の後で、体制側やその同盟勢力が米国と交渉するムードに転じる道理はない。彼らの計算を十分に狂わせはするが、報復や外交努力を台無しにしない程度に緻密な計算に基づいた攻撃を行えれば、それはそれで理想的ではある。だが、まったく現実性に欠ける。 
米国が軍事攻撃を開始しようとしまいと、その責務は、外交的な打開を実現するためにいかに機会を最適化できるかにある。このためには、これまで一度も実施された試しのない二重のアプローチが必要となる。すなわち、現実的な政治的妥結を図り、尚且つ、ロシアやイランに対し、底なしに悪化し続ける長引く紛争に関わり続けることよりも興味を抱かせるような提案を行うことである。  
これを心がける中で、米国は次の一連の要素に基づく提案を行うべきである。そしてシリアやその友好国は、真摯に、かつ建設的に、これらの要素に基づく提案を検討すべきである。
  1.  この戦争は一刻も早く終わらせなけれならない。この戦争の拡大、地域の不安定化、国際的な事態の紛糾、そして問題の長期化は、どの当事者にとっても有益ではない。
  2.  出口は政治的解決しかない。そのためには全ての紛争当事者が条件の敷居を下げ、広範囲に渡る合意に達しなければならない。唯一有効な打開策は、すべてのシリア関係者の利益を守るような妥結であり、なおかつ地域の戦略的均衡を崩すようなものであってはならない。
  3. シリア危機は、米国とイランイスラーム共和国が地域の問題にいかにして共同で取り組み、地域の安定化を図るかを示す重要な試金石となり得る。
  4.  実効性のある政治的解決策は、現体制が無秩序に存続することを保障するものであってはならない。がしかし、どのようなタイミングで政権移行が行われるかなどの子細については、米国は柔軟性を示せる筈である。
  5. 米国は、シリア国家の崩壊、及びそれによって生じる政治的な(力の)空白を望んでいない。したがって目標は、現状の体制を生かした政権の移行を実現することであり、これに置き換わるものを作り上げることではない。これはとくに、軍の扱いについて言えることである。
  6. 最優先とすべきなのはシリア社会のいかなる部分に対しても、報復や差別、或いは矮小化が起きないような妥結を図ることである。
これらの要素に基づく提案は、国連とアラブ連合の共同特使を務めるラクダール・ブラヒミ特使による「第二次ジュネーブ会議」の緊急招集への動きを新たに呼び起こす礎となるであろう。 

軍事攻撃に関する議論の中で、その是非や、規模や正当性を、国連安保理決議不在の中で論じることは、国際社会にとって最も喫緊な検討事項に対する目を曇らせ、また逸らす結果となっている。すなわち、いかにして政治的解決に向けた動きを再活性化するかという議論である。その合法性に関する議論はさておいても、すべての軍事行動は、それが目標により近づけるものであるか、それとも遠ざけるものであるかによって(その実効性を)判断するべきである。 



(C) 2013 All rights reserved. OBN

2013/08/21

(書き起こし)TEDxでヒギンズ弁護士が語った新犯罪概念「エコサイド(生態系破壊犯罪)」とは



いまから8年前、英国の王立裁判所で国選弁護人を務めたポリー・ヒギンズ(Polly Higgins)は、ある画期的な犯罪概念を思いつく。だがそれは単なる思いつきではなく、弁護士ならではの法理念と法体系の理解から生まれた発想だった。思いついた瞬間から、ヒギンズ女史はその法理性を徹底的に調べ上げ、自身の考えが現行の国際法体系(国連システム)に則した考えであることを確信する。7年後、彼女はNHKの「スーパープレゼンテーション」でも知られるTEDTalksの一般普及版TEDxイベントにてトークを行う。彼女の突拍子もないアイディアが時勢に認められた瞬間だった。以下は、TEDに認められたヒギンズ女史のトークの原稿のスクリプト(文字起こし・翻訳もOffice BALÉSで行った)を文章形式に書き起こし直したものである。

参考資料:

英語版の非公式書き起こし ←ポリー本人が絶賛!
日英スライドギャラリーと解説 ←動画とは別に行われたスライドとプレゼンの内容
Togetterの連投ツイートまとめ ←「エコサイド」以外の3つの選択肢も考察




「エコサイド」を思いついたきっかけ


7年前 私は法廷弁護人として
王立裁判所の法廷に立っていました

長い間かかわっていた
ある裁判の最終日で

職場で重傷を負った
ある男性の代理人を務めていました

私は彼の代理となって
法廷で発言していました

判事が入廷する前
束の間の沈黙が流れました

その時 窓の外を見て
こんなことを考えたのです

“地球も ひどく傷つき 
危険に晒されている
何とかすべきではないか”

そして 次にこう考えたことが
私の人生を変えました


“地球にもよい弁護士が必要なのだ”

しばらくそのことで
頭が一杯になりました

そこで 仕事を離れて
考えてみました

“法廷で弁護するとして
何があれば 法廷で
地球を代理できるのかしら”

何もありませんでした!

そこで考えました

“何があればいいのか”


“地球に何らかの権利があるとしたら?”

“私たち人間にも
様々な権利があるのだから
もっとも重要なのは 当然ながら 
生存の権利”


“では 地球にも
生存の権利があるとしたら?”

同僚たちに話したら
こう言われました

“何を言ってるんだ?
権利なんてあるわけがない!
それに 環境法なら
いくらでもあるじゃないか?
まずはそれからだろう?”

“そこが問題なのよ”
私は言いました


“既存の環境法は全く機能していないわ”

“機能している訳がない
アマゾンを見ればわかるでしょ
日々悪化する損害や破壊を
私たちは目の当たりにしているのよ”

“既存の法は
それを止めていないのよ”


7億5千万人の賛同者


私は 他に同じ考えの人がいるか
探してみることにしました

そうして 実は多くの賛同者が
いることがわかったのでした

正確に言うと
7億5千万人もいました

うち 3億7千万人
原住民の人々

地球に生存権があるという考えに
共感してくれていました

また 人命だけでなくあらゆる生命が
尊いものであるということも

仏教徒も このような
理解であると知りました

これで
3億8千万人の追加です

欧州の人口に近い 7.5億人の人々
私のように考えていました

ただ 法律として
明文化されてこなかった


5番目の平和に対する犯罪


そこから より深く考えてみました
なぜなら実際は
私たちの人権や“生存権”は
一対一の関係に基づくからです

たとえば “謀殺”
アメリカでは“殺人”ですね

そして一つの集団の中で起きると
これは“ジェノサイド”といわれます

2009年に 大勢の聴衆の前で
地球の権利について
語ったことがありました すると
聴衆の一人がこう言ったのです


“地球上で 生態系に対して起きているこの大規模な損害や破壊についてなにか新しい言葉を考えなければ”

と その通りだと思いました

まるで“ジェノサイド”のような・・・
そう “エコサイド”だと

これはまさしく
ひらめきの瞬間でした

頭の上でひらめきの光が
灯ったような感覚でした

"そうか!これは犯罪にすべきなんだ

でもできるかしら?エコサイドを犯罪に?”

私は自宅に飛んで帰り
徹底的に調べ始めました

そして三か月後
やっと一息つきに 外へ

そしたら気が付いたんです
これはただの犯罪ではなく
失われた 5番目の
平和に対する犯罪にできると




こちらのスライドでは

「国際平和に対する犯罪」として知られる
一連の犯罪を列挙しています

人道に対する罪と戦争犯罪 そして
ジェノサイドは既存のものです

これらは
二次大戦後に確立されました

そしてこれらの犯罪規定は
すべての犯罪行為を網羅する
いわば超越法として
すべての法の上に立ちます

その他の法はすべてこれに
準じていなければならないのです

侵略犯罪という
戦争に繋がる行為も
2010年に新設されました

私はここに5番目の平和に対する犯罪
エコサイドが在るのだと主張したいのです





地球のすべての“住人”を守る法概念


いまある法律は
生命の福祉を守るためのものですが
実際に守られているのは
生命そのものの尊さです

私が主張したいのは 尊重されるべきは
人命だけではないということ

尊重されるべきは すべての生命
地球のすべての住民であるということです




この図は 世界でいま
起きていることを示しています

大規模な損害と破壊が蔓延し
これが私の言う“エコサイド”に繋がります

この言葉の定義については
後でご説明します


エコサイドを引き起こす悪循環


このエコサイドが
資源の枯渇や
紛争その他に繋がり
これが戦争へと繋がることで
さらなる損害と破壊 そして
さらなる資源の枯渇へと
繋がるわけです

実際 コンゴでいま起きている問題は
この悪循環の最たる例といえるでしょう

負のスパイラルがより早く
さらに深まり さらに進行する

紛争が戦争へと発展し さらなる
損害と破壊がさらなるエコサイドを・・・

そうして負のスパイラルがさらに深まり
さらに進行してしまう・・・

キング爵が言う “資源戦争の世紀”の
只中に 私たちは居るのです

しかし この見方を根底から
覆すことも可能です

その道筋で
止めてしまうのです


悪循環を鈍らせるためではなく“止める”ため

また介入して阻止するため

ストッパーとなる法律を作ることで

負のスパイラルの深化や進行を止める

これが

エコサイド法の果たす
機能なのです


エコサイドの法的定義



これは 私が国連に提出した
法律提案の冒頭の一文です

生態系への広範囲な損害 破壊に
及ぶとエコサイドの犯罪が成立する

ここで使われる言葉にはすべて
法的意味合いがあります

なかでも最も重要なのが
この“住民”という言葉です

対象となるのは“人々”ではなく
“住民”なのです

これは勿論 ある領域に
“住んでいる”のは人間だけでなく
その他の種も含まれるという
認識のもとで成り立つ考え方です

また生命は連鎖するという
根本認識のもと
その破壊は私たちの住む地をも破壊し
平穏な営みを続けることを不能にすること


2つのエコサイド


エコサイドには
2つの種類があります

人為的なエコサイド




これは 私たちの行動が明確に
大規模な損害や破壊をもたらすと

予期され また確認されていても
行われる行為を指します

また すでに他の方が話されたように
他の形においても
人為的に起こされたものが
いかにして損害を生じさせているか

地球温暖化ガスの発生も 大規模な
損害と破壊がもたらす一つの結果です

実はつい最近
各国政府宛に
この法律をどう扱うかについて
コンセプトペーパーを送ってみました

人為的なエコサイドを生じさせている
危険な産業活動に

終止符を打つ方策として

でも もう一つのエコサイドも
知っていただきたいのです




それは
“自然発生的なエコサイド”です

これは 津波や 洪水や
海面の上昇など
大規模な生態系の崩壊をもたらす
あらゆる事象をいいます

単に企業活動を
制御する法ではなく
すべての国に 何らかの方法で
他国を支援するという
法的な“注意義務”を課す
国際法を作るのです

たとえばいま現在 モルディブ諸島は
私たちに こう叫んでいます

“助けてください!私たちはあと10年もすれば
海面上昇により沈んでしまうのです!”

これに対して各国政府は
“いかんともしがたい”と応えるだけ

彼らが主張しているのは “支援を行う
法的注意義務はない”ということなのです


法的に“注意義務”を課すエコサイド


エコサイド法を作ることで
こうした事態に共同で取り組み

事態を予防する法的注意義務を
各国に課すことができるのです

実際 海面上昇の危機に喘ぐ島国は
54か国もあるのです

しかも問題は
その54か国のみではありません

バングラデシュは 洪水や
海面上昇だけでなく
氷床の融解という危機までも
抱えているのです

法的“注意義務”を課すことで
支援のために何ができるかなどについて
具体的な協議を行う場が
設けられるのです

こうしてともに取り組む場があることは
とても大切なことです

なぜなら最終的には
たとえ世界の裏側の国であろうとも
私たちは運命共同体だからです


環境犯罪にも“上官責任”を


しかし私はさらに
こう提案しています

国際刑事司法では“上官責任”
という原則があります

責任を取ることは当然ですが
さらにもう一つの意味があります

つまり 管理責任 統率責任のある人物
ピラミッドの頂上にいる人たちですね

彼らに最高意思決定者としての
責任を求めるということなのです

すなわちこれは 国家元首や
政府閣僚を意味します

また数百万もの下々の人々に
悪影響を及ぼす可能性のある
決定を行う立場にあるCEOや重役
銀行の頭取なども含まれます

これらの個人に対して
法的な“注意義務”を課すことで
「人々と地球が最優先」となる
意思決定を行う
新たな枠組みを
構築することが可能なのです

これにより 危険な産業活動に
終止符を打つことができます


究極的には、地球をどう見るか


最終的には 地球をどう見るか
という問題に落ち着きます

地球を不活性なモノとして捉え
これに価格を付け
価値を押し付け
すなわち地球を 売買したり
利用したりと 悪用し
商品化するのか

資産に関する法律によって
成り立つ世界ではそうなります

一方で もう一つの見方があります
地球を一個の生物として見ることです

こうして見方を変えると 実は
その源がまったく違うことに気付きます

というより 長期的な視点での見方が
ガラリと変わってしまうのです

なぜなら 私たち自身を被信託者
あるいは保護者として捉えると
将来の世代について責任を負うことの
自覚が湧いてくるからです

正義の秤を再調整するということなのです

現在 正義は不調 あるいは
不均衡な状態にあります

そして私たちには この不均衡を
正すことができるのです

実は私たちはこれをすでに経験しているのです
200年前に遡ってみましょう


奴隷制を廃止した実績


200年前 英国議会に
ウィルバーフォースという議員がいました

彼は奴隷制廃止を訴えて
こう言いました

“奴隷制は倫理的に間違っている
これを止めなければならない”






彼には批難が殺到しました




大企業は

“そんなことしてはならない

「必要」があってしているからだ”

「公共の需要」もある そして何より
奴隷制がなくなれば「経済が破綻」してしまう”

奴隷制に関わっていた300の企業は
様々な解決策を提案しました

“私たちに任せてください 任意で解決します
「自主規制」させてください”

“法律が多すぎます”

“どうしようもなくなったら
数を制限します それでどうでしょう?”

“市場原理に任せるという手もあります
キャップ&トレードのようなものはいかがでしょう?”

興味深いことに 英国議会は
すべての提案に「ノー」を突きつけました

そしてウィルバーフォース議員の亡くなる
実に2日前 法案は可決されます

この法律は 成立した途端に世界中に波及し
奴隷制が廃止されたのです


200年後も変わらない企業の本質


さて現在に視点を戻すと 私たちは実は
とても似た状況にいることがわかります

この画像の中の現実は
まったく違います




これはカナダの
アサバスカのオイルサンド(油砂)

この画像を見たとき
私は心臓が止まる思いがしました

路上で
立ち尽くしてしまったのです

そこで何が起きているかを悟った私は
“これは犯罪行為だ”と思わず呟きました

結局 現代においても
産業の主張は全く同じなのです

違いがあるとすれば 彼らの解決策はすべて
トライ済みで すべて失敗しているということです


企業を破産させることが目的ではない


奴隷制の廃止が成功した理由の一つに
統制されていたことが挙げられます

制度の移行期間が設けられ
どの事業も倒産しなかったのです

またウィルバーフォース議員は
私と同じ矜持を持っていました



大企業を倒産させることが目的ではなく
問題を解決策へと転換することに軸を置く
ということ

奴隷制の廃止にしても 300社のうち
一社も倒産しなかったのです

ある企業は中国でお茶を売り買いし
そのために助成金を得ました

海上警察へと発展した
企業もあります

ウィルバーフォース議員は 成功には
3つの必須条件があると言っていました



  1. 助成金を停止する
  2. 問題行為を違法化する
  3. 別の方面へ助成金を出す


まさしく現代において
私たちがすべきことです

でも さらにあるんです


「神聖なる信託」(国連憲章)に基づく義務


人類の歴史の中で

「文明の神聖なる信託」と呼ばれる
考え方が存在したことがありました

この概念は 私が調べたかぎりでは
16世紀から文書の形で存在していました

そしてこの考えは 国連憲章(第73条)にも
掲げられているのです


「…国際連合加盟国は、この地域の住民の利益が至上のものであるという原則を承認し、且つ、この地域の住民の福祉を(中略)最高度まで増進する義務並びにそのために(中略)行う義務を神聖な信託として受諾する。」 


第2次大戦後 初めて成立した
国際法律文書です

そこにはこう書かれています

国連加盟国には住民の利益を
(ここでもまた“住民”という言葉が)
至上のものとし 神聖なる信託として
"注意義務"を遂行する第一義の
義務(法的義務)を受託する と

“信託”

つまり 私たちは被信託者 管理者であり
保護者であるということなのですね

そして 住民の福祉を最高度まで増進する
義務を負っていると

つまり人々とこの惑星を至上のものとする
「健康と福祉」に関する保障規定なのですね

エコサイド法が成立すれば この条文に
法的有効性を持たせることができます

これは非常に大事なことです

なぜならエコサイドは 人道に対する罪
でもありますが それ以上のものだからです

自然に対する犯罪であり
将来世代に対する犯罪なのです

究極的には
平和に対する犯罪なのです



これは利益よりも 人々とこの惑星の福祉を
至上のものとするというだけでなく
紛争の無い世界へと踏み込むことで
革新を全く異なる方向から進め
多くの形の豊かさを手に入れることができる
という新たな認識を持つことに他なりません

私は利益追求を否定しません
むしろ 利益を肯定します

ただし生命の破壊をもたらすようなもの
これについては 扉を閉ざす時です

そして生命を肯定するものに対しては
扉を大きく広げ迎え入れます


7年間の旅路とこれからの旅路


こうして 私が非常にパワフルな考えに
辿り着いたのは 7年前のことでした

それは旅路の始まりであり
いまもその旅は続いています

エコサイドの国際法を提案する
というだけの話ではありませんでした

いま何が必要かを見つめる
貴重な旅路でした それは

適応可能なリーダーが必要ということ
時代に即応するリーダーが必要ということ

また「エコサイドを撲滅する」という
本の執筆にも繋がり
その中でなぜ法そのものが
問題であったかを解き明かしました


利益追求は企業の法的義務


みなさんご存じですか?

法人に関する法律は
利益を至上のものとしているんです

法人にはその株主に対して
利益の最大化を目指す法的義務があるのです

それは私たちにとっても
益をもたらしました しかし
その影響を 私たちは
十分に考えて来なかったのです


法の下の平等と正義の実現


超越法であるエコサイド法があれば
影響を考える機会を与えるような
行動する前に考える「事前警告規定」
の役割を果たすでしょう

最後に これだけ言わせてください

キング牧師はかつてこう言われました


法の下の平等と正義が成り立てば
この世界に真の平和が訪れるだろう
法の下によりよい理解が成り立てば
真の平等と正義が得られるだろう

エコサイドは 自然の正義の下に成り立つ法です

私はその実現のため 生涯 自分の命を
なげうつ価値があると信じています

ご静聴ありがとうございました

--

※巻末資料:「3分で解る『エコサイド撲滅運動』欧州編」





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