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2015/02/03

【緊急コラム】邦人人質全員死亡事件: 政府にはどのような責任があるのか #IamNotAbe #IamKenji

大本営発表ここに極まる(3日の読売)
政府にはどのような責任があるのか


2日付けのリテラも挙げていた政府の明白な責任は3つある。

①両人質拘束後、官邸が解放に向けて本気で動こうとしなかったこと
②交渉の窓口をトルコではなく、ヨルダンとしたこと
③中東歴訪でぶちあげた2億ドル支援だ

第一に、①14年8月・10月以降人質解放交渉に真摯に取り組まずに今年1月まで放置してきたこと。第二に、②15年1月以降の解放交渉を自ら行わずまた妥協もせずに他国(よりによってヨルダン)に丸投げしたこと。第三に、③解放交渉中にあからさまに犯人勢力を刺激する言動をとったこと。

①はまず『言語道断』だが、解放交渉中に解散総選挙を行うというのはもはや常軌を逸していると言わざるを得ない。自国民の保護は国家の第一義の義務である。NSCの陣頭指揮を執ってことの迅速な解決に当たらなければならない首相が自らも選挙に出馬し遊説に回っていたのである。その間何ができたのか政府首脳部の怠慢の検証が必要だろう。

②「両名を殺害する」と、犯人グループにより明白に国民に危害を与える表明がなされていたにも関わらず、ただ「テロには屈しない」の一点張りで何の譲歩もせず、交渉もせず、まず人質一名を死に至らしめた。この過程で政府が行ったことは、交渉・妥協をしないで他国(よりによってヨルダン)に汚れ役を任せる。それのみである。

任せられた王国ヨルダンはさぞ困惑したことだろう。すでに同国はISISと死刑囚の解放について12月から交渉を行ってきていたからだ。そこに、国民が望む英雄との交換ではなく、単に経済支援国であるという理由だけで義理のある日本の人質と交換するという条件を突きつけられたのである。結果、ヨルダンはパイロットの交換を優先し、交渉はISISの目論見通り決裂した。

これで仮に、日本の行動の結果、パイロットが殺害されていたとしたら、日本政府はどのようにして責任をとるつもりだろうか。解放を訴えるデモを起こしている百数名のパイロットの親族にどう申し開きするのだろうか?

大いなる禍根を残したと言わざるをえまい。
もちろん、多大な援助をもらっている手前公に批判はしない。

③水面下で外務省が交渉を行っているなかで、官邸側はそれを知りながらその動きを全く無視し、外務省の警告も無視して独自のアジェンダで中東外遊を企画・指図し結果的にテログループに要求を表面化させる絶好の機会を与え、既存の人質二名を危険に晒した。

その結果テログループに演説の言質をとられる始末で、演説で表明した金額そのままを身代金に要求された。230億円という法外な金額は、どの国家も支払きれないし、支払わないだろう。そのことは既に前提にあって。その上で何をなすべきか政府は検討するべきだった。


 幻の軍事オプション

しかし軍事オプションは初めからなかった。仮に自衛隊に邦人救出任務が付加され超法規的に許可されたとしても、他国における軍事行動は憲法以前に国連憲章により厳に禁じられる。シリア政府から①許可あるいは②要請されるか、③国連安保理決議により集団安全保障措置として当該行動が明示的に許可されていない限り、仮に国内法制が整備できていても自衛隊を派遣するオプションはなかったのである。

有志国連合軍が成立している背景には、そもそもシリアに対する軍事作戦が中露の反対により国連授権の活動として容認されていないからだ。即ち、安保理に許可された行動としての軍事行動ではないため、日本は国連中心主義を掲げる現行の法体系では参加しようがないのである。かといって、敵対するシリア政府から要請を受けられるわけもない。単独軍事オプションは、はじめから「あり得ない選択肢」だったのえである。つまり、他国(有志国連合軍)に救出を要請するほかなかった。しかし、日本政府がこのオプションを検討した様子はない。

つまり、身代金は払わない(これは○)、交渉はしない(これは×)、他国要請を含む軍事オプションをとらない(これは△)ことで、実質的に政府は『何も』しなかったも同然なのである。

その上で、カイロで人道支援目的とはいえ「イスラム国と対峙する国」に対する支援として、巨額の支援を表明し、また訪問先のイスラエルでイスラエルの国旗の側に立つパフォーマンスを行い、あからさまにISISに対する敵を丸出しにした。自国民の解放で交渉中の一国の首相が、である。


 政府のいう『苦渋の選択』のレベル

国際的なすう勢を鑑みて、対テロ戦への参戦を一刻も早く表明し国際連帯の輪の中に入らければならなかった、という国益が絡んでの判断だということはわかる。しかし、それをするにもタイミングがあった。しかも、ただ連帯を表明するよりも一歩踏み込み、明確に米英側=「敵」としてISISに認識されるようなパフォーマンスを行った。

その結果、ISISは水面下で行っていた交渉をとりやめ、身代金要求額を法外なものに吊り上げ、日本政府の姿勢を試した。つまり、本当に有志国連合の一員として対峙する覚悟があるかどうかを試したのである。結果、日本政府は自国民一人を犠牲にすることで、その覚悟を示した。先進国として称賛されるべき行動ではない。

これのどこが『苦渋の選択』なのだろうか。
国民の生命・財産よりも国家のメンツという名の国益を取っただけの話ではないか。

日本政府の覚悟の拒絶に対する応答としてISISは一人目の人質、湯川遥菜さんを処刑・殺害し、交渉は次なるステージに移った。ヨルダン死刑囚との交換である。これも、土台無理な注文であった。ヨルダン側がパイロットの解放を最優先とするのに対し、ISIS側は後藤氏との交換にしか応じないというのだから。取引不成立となって当然の、無理難題な要求だった。

米CNNは、リシャウィ死刑囚の捕虜交換要求は、リシャウィが持つ「最高権力の継承」という象徴的な重要性によるものだろうと分析していたが、一理ある。ISIS側は、今回の騒動を起こすことによりリシャウィの死刑を延長させることに成功した。そしてヨルダンは今も、パイロット解放のための交換に応じると表明している。

パイロットの生存は未だ確認されていないが、ヨルダン側としてはISIS側は唯一提示した条件をなくせば、取引の材料がなくなる。完全にテロ組織に翻弄されている状態だ。もし日本の事件に巻き込まれずに単独で交渉を進めていれば、あるいはパイロット(軍人)とISISの重要人物との交換は成立していたかもしれない。その芽を潰したのは日本政府の独善的行動だ。

このように、2014年の8月から両人質に殺害が確認される2015年1月まで、安倍自公政権は決して満足な対応を行ってきたとはいえず、あまつさえ国民の命が危険に晒されている間に解散総選挙を行い、挑発行為を行い、そして交渉も妥協もせず、国民二名の死亡を招いたのである。

ハッキリ言おう。

本件、現行安倍政権の人間こそ万死に値する。

2015/02/02

【緊急コラム】邦人人質全員死亡事件: 政府の反省・責任は?どうやって責任を問う? #IamNotAbe #IamKenji

自衛隊の活用 首相が意欲 現実味薄く、自民も慎重

ハコモノ行政マインドを脱せよ

東京新聞(1日)
だからさ、自衛隊の能力云々じゃないんだよ。今回の件だって、ヨルダンは特殊部隊を派遣することができたわけだ。 それをずっとしてこなかった。なぜだと思う? いくら普通の国でも対象国の了解と協力なしに地上部隊を派遣することなんてできないんだよ。 その外交力が日本政府にあるか?
アルジェリア人質事件を教訓に 日本政府は 日本版国家安全保障会議を作った。それが今回の何の役に立った? どう司令塔の役割を果たしたというのだ。 ヨルダン政府に対して戦略的に日本の要求を通すことができたか?できなかったろうに。 文民政府の人の質に問題があるんだよ。
いくら強行的に実力を行使する手段を持っていても、 それを指揮する文民側が危機管理能力も、緊急対処能力も、交渉力もろくに持ち合わせていない状態では、 宝の持ち腐れにすぎないんだよ。 即応部隊は政治家の点数稼ぎのための道具じゃないんだよ。具体的な戦略あって初めて機能するんだよ。
在外公館の強化は麻生政権の時代から自民党はやってきたんだよ。 それでも形だけの数合わせの強化で結局のところ 情報収集能力は向上してない。 今回のような事件でまず鍵となるのは 情報処理能力だろうに。現地のインテルが確実だからこそ部隊が有効に機能する。その"お膳立て"が必要となる。
このお膳立てを行うには 地元に根ざしたヒューミントのネットワークが必要。 在外公館の警護能力を強化すればいい話ではない。まさに地道な地に根を下ろした活動が必要。その殆どは非軍事。即応能力があっても使える環境を整備しなければならない。その能力が決定的に無いことが今回判明した。
軍事対応や軍事力を見せつけることが敵への有効な抑止力となると思ったら大間違いだ。 そんなんだったら中東の「普通」の国々は今頃イスラム国を壊滅させている。人質交渉だって長引かせない。問われるべきは指揮をとる文民政府の能力で部隊の即応力ではない。国会議員はこれを踏まえて議論せよ。
対応のオプションを拡げるのは賢明な措置ではある。だが、状況に対して有効なオプションであるかを判断する能力が指揮する側に必要になる。これは指揮統制する側に訓練とプロトコルの確立が必要だということだ。日本版NSCは全く役立たずな代物だった。まずはその反省に立つ必要がある。 
「私たちが今、やらなければならないのは、イスラム国へのヒステリーを起こす事ではない。この間、政府がどんな交渉をしていたか、安倍政権がどんな意図でどう動いたかをきっちり検証することだ。」田部祥太

交渉を妨害し後藤さんを見殺し! イスラム国事件で安倍政権が犯した3つの罪

邦人二名死亡の最大の責任は政府にある

リテラ(2日)
昨晩は激しい憤りに任せて政府の怠慢を書きなぐってしまったが、今朝リテラの記事を読んで平静を取戻し、あらためて今回の悲劇の最大の要因が日本政府の失策にあることを確信した。犯罪者集団に実行の責任があるのは当然だが、問題は犯罪者にどう当局が対応したかにあるからだ。
通常の国内の誘拐事件でもそうだが、警察が明らかに尽力していることがわかれば批判は少なく評価が高くなる。今回の事件は、政府が火種を撒きつつ、自らの失策を挽回するに足る体制も方策もなかった。13年に日本版NSCを造り豪語したのにも関わらずだ。
国民二人も自らの失策により死なせておいて、それで「自衛隊が派遣できれば」という論理のすり替えを行うとは、それこそ『言語道断』である。私はこんな狂ったロジックで失策の責任も言明せず、経緯の検証も反省もせずに安易に実力行使一辺倒を宣う政権には”屈しない”。
「NSCはできて1年も経たないのだから期待し過ぎるのは筋違い」という主張も聞かれるが、構想に20年近くかけ、07年にも一度設立しかけているのだからそれなりの働きをすると期待して当然だろう。まして、邦人人質事件が教訓となって設立されたのだから猶更だ。
リテラによれば、安倍政権の犯した第一の失策は、対策本部をヨルダンに置き、ヨルダンを拠点に邦人救出を試みたことだという。これは合点がいく。ヨルダンは有志国連合の空爆に直接参加する数少ない中東三か国でISISからすれば仇敵なのだから。
しかもヨルダンは、邦人2名が捕まるはるか以前からパイロット解放の交渉をずっと行ってきていた。そこに付け込み、利用されるという不遇をヨルダンの人々にもたらしたのだから、まったく迷惑極まりない判断だ。この判断を行ったのがNSCなのである。
07年時にの20人規模よりも増強されて70人体制で発足し、安保PRで頼もしい礒崎安全保障担当首相補佐官を政治任用側のトップに、外務省の帝王の谷内元事務次官を据えたNSCは初の邦人人質事件で致命的な選択ミスを行ったのである。
結果的に日本政府はヨルダン国民に偽りの希望を与え、この機にパイロットの解放を公言したヨルダン国王に恥をかかせたことになる。これは後に、外交儀礼による謝意とは関係ないところで亀裂として表面化することだろう。そこも、ISISにしてやられた。
230億円という法外な身代金を要求したのも、ヨルダンに収監される死刑囚との交換を要求したのも、実現不可能と分かっていてのこと。真の目的は有志国連合に揺さぶりをかけることだった。新参者の日本はもとより、空爆に参加するヨルダンを揺さぶることが目的だった。
身代金支払いも捕虜交換も、米英のノーコンセッション方針に従えばどのみち実現薄だった。ところが、ヨルダン側は犯人側の真意を確かめるために死刑囚の解放を実現しようとした。ヨルダンは米英のくびきを離れ自己判断した。同盟関係にくさびが打ち込まれたのである。
ところがISIS側はもとより切り札のパイロットを解放するつもりはなかった(更に、既に死亡している可能性もあった)。結果としてパイロットの生存が確認できず、ヨルダンとの交渉は決裂し、故・後藤氏の解放は実現しなかった。日本・ヨルダン両国がISIS側に完全にしてやられた瞬間だった。
我が国は、安倍首相の陣頭指揮の下、テロに屈しないどころか、テロに完全に翻弄されてしまったのである。政府の初動のまずさのおかげで、人質解放の条件が劣化し、他国を巻き込むことになり、そして国民二名を死亡させたのである。
ないものねだりでハコモノ行政を展開した結果が、これである。国民2名の死亡と、テロとの戦いの同盟国との関係悪化である。今後、ヨルダンが日本の支援を受け続けるかどうかが、そのひとつの証明となる。国外の報道にアンテナを張ることだ。
外交判断は、当たり障りのない外交儀礼とは異なるところで冷徹に行われる。パイロット解放交渉の日本政府を挟んだ故のとん挫は、今後のヨルダンとの外交関係に間違いなく暗い影を落とすだろう。ヨルダンの有志国撤退もあり得る。かつてフィリピンがイラクでこれを行った。
またヨルダンだけでなく、他の有志国の間でも日本政府の評価は(外交儀礼による称賛とは異なり)地に落ちているだろう。13年のアルジェリア事件に加え、邦人人質殺害はこれで2件目。短期間に失態を繰り返し、その改善が全く見られていないのだから。
今回の事件により、日本の有志国連合の中でのポジションはかなり劣化し、ジュニアパートナー扱いを免れなくなるだろう。事実、日本政府は有志国連合に対する後方支援をしないと公言してしまった。これは参加する前に「いち抜けました」と表明するようなものである。
また情報の取扱についても、今回日本政府はその能力の危うさを露呈してしまった。ヨルダン政府とISISとの交渉が大詰めに入っていた時に、現地対策本部の責任者が「こう着状態にある」と交渉の状況を漏らしてしまったのである。これには流石に国際社会も呆れただろう。
これまで各国の交渉に関する発表内容を見ていても、言葉巧みに情報の露出を控えていることがわかる。状況が分かるような言葉は口にせず、逆に相手にゆさぶりをかけるようなハッタリもかます。そうして裏表を使い分けて交渉を有利に進めようとする。
ところが日本政府の当事者は、交渉の当事者でないせいかこの緊迫感が全くなく、つい「こう着状態にある」等と国際メディアに漏らしてしまう体たらく。秘密保護法があっても発表の場で情報を的確に扱えないのでは危なっかしくてしょうがない。日本の信頼失墜はもはや自明だろう。

政府責任をどう検証するか

対テロ戦”再”参戦を目論んで政権発足早々に制定された特定秘密保護法だが、これから国会審議等で威力を発する可能性がある。既に予算委審議でも「つまびらかには話せない」という表現が使われていると思うが、これは"外交上の機微"に触れる程度の情報である。
米上院外交委員会ならばここで秘密公聴会を開いていわば外交施策の失態に関する”査問”が行われる。リビア大使襲撃事件でペトレイアス元NATO司令官が査問されたように。NSCの人間が査問にかけられて然りである。それが責任履行アカウンタビリティーである。
国会の通常審議では「つまびらかには話せない」程度の表現で済むが、”外交安保上の機密”に触れるものとなれば、それは「国家安全保障上の問題で話せない」と述べることになる。そのベースとなるのが、特定秘密保護法である。
だが仮に、秘密保護法に触れるような問題であっても、それを国会が審査しないのでは意味がないし、三権の相互監視が成り立たない。国会には審査権があり、これを適用するにはまず秘密公聴会を与野党合意で開く必要がある。
安保法制や自衛隊派遣論議の前に、まず国民二名を死亡させた政府の責任を問う特別審議が国会でなされて然りなのである。常任委員会の委員長は全て与党が握っているので、特別委員会は野党が議長を務める体制にする必要がある。
野党は責任追及のための特別委員会の設置を提案するべきであり、通常の予算委員会等総理が出席する委員会では外交上の機微の問題だけで逃げられ、厳秘事項については秘密保護法で逃げられるので、”逃げられない場”の構築が必要である。
この検証では残念ながら全ての事実は国民には明らかにならないが、せめて国会内で十分に時間をかけて審議し、与野党がその内容に合意し、外に漏らさないことを保証できる。アメリカの秘密法制を模倣するなら、そうした枠組みも模倣してほしいものだ。形だけ真似ても意味がない。
与党が全ての情報を握り政府とツーカーで、国会に正当な審査を認めないのならば国会など不要である。与党の責任を問うために特別な場が必要なら、それを与野党合意のもとつくればよい。それが政治の行える本件の検証作業だ。何もかも公開で議論すればよい訳ではない。
そして、機密に触れない範囲の情報は適切に国民に開示する必要がある。それこそ、911検証委員会のようにである。福島原発事故後に国会で行った調査も、一般刊行物として出版された。同等レベルの情報開示、即ち透明性の確保が、秘密法制の健全な運用には不可欠である。
二人の邦人の命が失われたシリア邦人人質殺害事件の事後処理については、開示できる情報は開示し、整理し、検証し、そうして初めて、その反省から改善が促されなければならない。政府はもとより国会でもこの議論は十分になされていない。
そのような中で、自衛隊派遣や安保法制絡みの議論が先行するのは時期尚早である。国会議員は、国家の重大事案の後始末について、国としてどうすべきか、どう再発を防ぐべきかを慎重かつ綿密に検討し、結果を適切に開示する必要がある。
それが、二名の国民の尊い命を奪い、国際テロリスト組織にその利用価値をあらためて認知させた結果、全世界で不用意に安全を脅かされることとなった国民に対し、政治に携わる全ての者が課された最低限の説明責任である。

2015/01/30

邦人人質殺害事件: 後藤健二さんの妻リンコさんの公開手記(日英併記)

後藤健二さんの妻リンコさんの公開手記(日英併記)

A statement from the wife of Kenji Goto (retranslation in Japanese)



私の名前はリンコ。シリアで武装グループに拘束されているジャーナリスト、後藤健二の妻です。2014年10月25日、健二の存在は私から奪われました。以来、私は彼を解放するために人知れず必死に取り組んで参りました。

My name is Rinko. I am the wife of Kenji Goto, the journalist who is being held by a group in Syria. He was taken from me on 25 October 2014, and since then I have been working tirelessly behind the scenes for his release.

これまで私が声を上げなかったのは、健二の陥った苦境により世界中のメディアの関心が集まる中で、子どもたちと家族を守らねばならなかったからです。

I have not spoken out until now as I have been trying to protect my children and family from the media attention Kenji’s plight has created around the world.

私たち夫婦には、二人のとても幼い娘たちがいます。健二が日本を離れた時、私たちの新しい赤ちゃんは生後わずか三週間でした。まだ二歳の上の娘が、再び父親に会えることを、私は願ってやみません。二人の娘には、父がどんな人であるかを知りながら、成長してもらいたいのです。

My husband and I have two very young daughters. Our baby girl was only three weeks old when Kenji left. I hope our oldest daughter, who is just two, will get to see her father again. I want them both to grow up knowing their father.

夫は善良で正直な人間です。シリアに赴いたのも、苦しむ人びとの困窮した姿を伝えるためでした。健二は、湯川遥菜さんの状況も確認するつもりでおりました。その遥菜さんが亡くなり、私は深い悲しみに包まれました。そしてご家族の皆様に思いを馳せました。皆様がどれだけつらい思いをされているか、私には痛いほどわかるからです。

My husband is a good and honest man who went to Syria to show the plight of those who suffer. I believe that Kenji may have also been trying to find out about Haruna Yukawa’s situation. I was extremely saddened by the death of Haruna and my thoughts go out to his family. I know all too well what they are going through.

健二がトラブルに巻き込まれたことを私が知ったのは、12月2日のことでした。健二を拘束したグループからメールを受け取ったのです。

I became aware that Kenji was in trouble on 2 December when I received an email from the group holding Kenji.

湯川遥菜さんと健二の身代金として二億ドルが要求された動画を見たのは、1月20日でした。それ以来、私はグループと何回かメールをやりとりし、彼の命を救おうと必死で戦い続けました。

On 20 January I saw the video demand for $200m for the lives of Haruna Yukawa and Kenji. Since then, there have been several emails between the group and me as I have fought to save his life.

過去20時間に及ぶやりとりの中で、犯人グループは私宛に、最新で最後の要求と見られる次のような文章をメールで送ってきました。

In the past 20 hours the kidnappers have sent me what appears to be their latest and final demand:

「リンコ、このメッセージを世界のメディアに対して公開し、暴露しろ。さもなければ、次に殺されるのは健二だ。」

"29日木曜の日没までに、健二との交換のためサジダ(リシャウィ死刑囚)がトルコ国境付近に現れない場合、ヨルダン人パイロットを即座に殺す。"

Rinko,
YOU MUST PUBLICISE AND EXPOSE THIS MESSAGE TO THE WORLD MEDIA NOW! OTHERWISE KENJI WILL BE NEXT!
If Sajida is not on the Turkish border ready for the exchange for Kenji by Thursday 29th Jan at sunset, The Jordanian pilot will be executed immediately!

恐らく、これが健二の最後のチャンスとなるでしょう。健二を解放し、ヨルダン人パイロットの命を救うには、あと数時間しかありません。二人の運命は、ヨルダン政府と日本政府に委ねられています。どうかそのことをご理解ください。

I fear that this is the last chance for my husband and we now have only a few hours left to secure his release and the life of Lt. Mu’ath al-Kaseasbeh. I beg the Jordanian and Japanese Government to understand that the fates of both men are in their hands.

両国政府の懸命な努力に感謝しております。ヨルダンと日本の人々が示してくださった慈しみの心にも感謝しております。私は子供のころ、家族とヨルダンに住み、12歳になるまでアンマンの学校に通っていました。だから、私にはヨルダンとヨルダンの人々に、特別な感情と思い入れがあります。

I thank the Governments of Jordan and Japan for all their efforts. I thank the people of Jordan and Japan for their compassion. My family was based in Jordan when I was young, and I went to school in Amman until I was 12 years old, so I have great affection and fond memories of Jordan and its people.

最後に、過去三ヶ月にわたり私と娘たちを支えてくださった家族や友人、夫の同僚の皆様にも感謝しております。

夫とともにヨルダン人パイロットのムアーズ・カサースベさんの無事も祈っております。

リンコ

Lastly I (thank my family, friends and Kenji’s colleges for the support they have shown my daughters and me over the last 3 months.
I pray for the lives of my husband and the Jordanian pilot Lt. Mu’ath al-Kaseasbeh.
Rinko

Retranslation by Office BALÉS
Source: (en)(ja) Twishort | Facebook

2015/01/26

緊急コラム:邦人人質殺害事件③ 故・湯川遥菜さんに捧ぐ #HarunaYukawa #KenjiGoto #ISIS



故・湯川遥菜さんに捧ぐ


心あるジャーナリストは官房長官、外務大臣、或いは総理大臣に、機会のある時にこう尋ねてみるといい。

「政府として把握している湯川さんの死亡推定時刻は何年何月何日の何時何分頃なのでしょう」と。遺族に死亡日時も伝えられないのでは、政府としての面目が立たないのではないか」と。

湯川氏が14年の8月時点で交渉決裂により殺害されていたのか、それともそれから少し生き延びて、でも後藤氏と捕虜として再会した前後に殺害されたのかは、現存する情報からでは把握できない。ただし、あの脅迫動画の”前に”殺害されていただろうことは確かだ。それがいつかは、脅迫を起点にするとそれほど重要ではない。

思えば湯川氏も数奇な人生を辿った。
というより、自らの選択で数奇な人生を選んできた。

海外のメディアでも繰り返し登場するのは、湯川氏が性転換を図ってみたり、自殺を試みたり(未遂で終わったのは家族による蘇生があってのことだったという)、名前を変えたりしてきた。そして、唯一自分の選択でなかった不幸が、奥様の病死だった。肺癌だったという。

彼を激戦地のシリアに赴かせたのは、彼なりの使命感だった。しかし実践経験の少ない彼にはどうしてもお守り訳が必要だった。そのお守り役を引き受けたのが、ベテラン戦場ジャーナリストの後藤氏だった。

NYタイムズのこの記事によると、後藤氏はよき師匠でありよき友人であったようだ。

湯川氏は必死に後藤氏について行き、イラクに侵入した時は後藤氏の助手という位置付けだったという。後藤氏からすれば、手のかかる、でもかわいい弟子というところだろうか。二十年来、ジャーナリストとして常に弱きを助けてきた後藤氏からすれば、危なっかしい湯川氏はかわいい、でもかけがえのない愛弟子だったんだろう。

記事によると、湯川氏はISISに捕まる以前、自由シリア軍FSAに捕まっていたという。後藤氏はこの時に初めて湯川氏を救援に行き、この時はこれに成功し、なんとしばらく湯川氏はFSAと行動を共にしたのだという。この時点で、湯川氏はISISの潜在敵になっていたのだ。そして湯川氏自身も、ISISを敵対視していた。

8月にISISに拘束された時、湯川氏はたしかに自由シリア軍と行動を共にしており、その捕虜として捕まった。つまり、一般の民間人ではなく、敵軍のスパイとして捕らえられたというISISの主張は事実だったのだ。しかし実践経験の乏しい湯川氏は、「敵」であるISISに追及を受け、そして語学力の無さも相俟って、自分に不利な証言ばかりしてしまう。

結果として、湯川氏は「怪しい自由シリア軍の側の人間」で、しかも武器を売っていた(売ろうとしていた)ということで、敵兵として処刑されたのだろう。この時点で、後藤氏が湯川氏と行動を共にしていたかは謎だが、後藤氏はその現場には居合わせなかったのだろう。

そして10月、再びシリアに戻ってきた後藤氏は、ISISに拘束され、湯川氏の死を知らされたのではないかと思う。それからISISは日本政府の出方をうかがっていて、決定的なきっかけとなるカイロでの安倍首相の声明を引き金に、脅迫行為を表面化させた─そんな、ところではないだろうか。

様々陰謀論はあるが、政府関与説も訊かれるが、湯川氏が殺害されていたというその事実が、政府にとってはいずれによ彼らは使い捨てでしかなかったことは見えてくる。シリアへの入国が政府関与のもとで行われたのであれ、自由意思で裏ルートで行われたのであれ、結果は同胞一人の死亡と、もう一人の生命の危機という現実に帰着する。

死して湯川氏は、米・英・仏の国家首脳から名指しでその死去を悼まれる存在となり、各国政府の公式声明の記録に残り、歴史に名を遺した。

不謹慎ながら、数奇な人生を送ってきた湯川氏にとって、もしかしたら彼は名誉に思っているのではないだろうか、と思ってしまう。

そういう風に納得して、彼の荒ぶる魂を鎮めたい。

心よりご冥福をお祈りいたします。

May your soul rest in peace.
Haruna Yukawa.

緊急コラム:邦人人質殺害事件② #ISIS 最高指導者バクダディの狙いは金ではなく、最高権力の継承と拡大 #HarunaYukawa #KenjiGoto #ISIS

追記:ISISが後藤氏との交換による奪還を目指すサジーダ・アル=リシャウィ(Sajida al-Rishawi)死刑囚の素性については、CNNが特集記事を組み、日本のパートナーである朝日が既に日本語版記事も発しているのでそこで彼女の持つ重要性が把握できる。ここではCNNの記事に沿って追記する。


リシャウィ死刑囚は05年のヨルダンホテル自爆テロ事件で自爆テロに成功して死亡したの首謀者の妻で、妻の方はテロに失敗し当局に拘束され、06年死刑を宣告された。しかしなぜか同年特赦がおり、死刑は執行されず、13年12月に再開されたが、彼女の番はまだ回ってきていないという状況にある。

リシャウィ死刑囚は06年に米軍の空爆により殺害されたアルカイダの最高指導者だったアブ・ムサブ・アル=ザルカウィ(Abu Musab al-Zarqawi)の”右腕だった”男の妹である可能性が高いと、ヨルダン副首相のマルアン・ムアシャー(Marwan Muasher)はCNNに語った。元米軍デルタフォース司令官のJ・リース中佐(Lt. Col. James Reese)によれば、その男は現ISIS最高指導者であるアブ・バクル・アル=バクダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)の妹である可能性があると考えている。



2014年2月に完全に分裂するまで、アルカイダとISISは一心同体だった。ISISの前身は2004年に設立されたアルカイダ・イン・イラクなのだが、ISISと別の内部組織アル・ヌスラ戦線との間で内紛が激化し、ついにアルカイダに絶縁を宣言され、ISISはアルカイダから独立した別組織として生まれ変わった。

その指導者となったのが、アルカイダ・イン・イラクの創設者であり最高指導者のザルカウィの側近だった、バグダディ司令官だった。ザルカウィにアルカイダが支配されていた頃に、リシャウィはおそらくザルカウィの命令で自爆テロを実行させられた。しかし彼女はテロ決行当時、自爆装置のついたベルトを着用しておらず、また夫は彼女とは反対外のアイルで、自爆時には場所を離れるように忠告したらしい。

つまりザルカウィは彼女を殺すつもりだったが、彼女の夫は自分だけ自爆するつもりだった。おそらく、彼女の兄で副官の命、あるいは願いに従ったのだろう。つまり、今回の捕虜交換・妹の奪還は、バクダディにとって私怨以外の何物でもないが、同時にアルカイダから分離独立した自身の最高権力の掌握・継承を示す儀式のようなものなのだろう。

アルカイダ時代にザルカウィに強要された妹による自爆テロ。そして囚われの身となった妹。彼女を取り返すことこそが、ザルカウィに対する私怨を晴らすことであり、自らがザルカウィを超える指導者となったことを示すことにも繋がるのだろう。

だからこそ、13年8月に既に殺害していた湯川氏は当然ながら眼中になく、後藤氏を取引材料として死刑執行直前の妹を取り戻すこの作戦には、バクダディ司令官の並みならぬ意思が込められていると考えるのが賢明だ。ただ同時に、時間的制約があり、万が一死刑を止められなければ、その時取引材料としての後藤氏は価値をなくす。つまりリシャウィの存命中が、日本政府の有効交渉期間となる。

更にバグダディはこの作戦をなんとしても成功させたいため、譲歩に応じる可能性もある。問題はヨルダン側で、有志国軍を主導する米英軍も決してバクダディの要求に応えようとはしないだろう。そして日本政府はそのことを十分承知している筈だ。この一件で存在感を示せば、有志国軍に加わりやすくなる、という位に考えているかもしれない。ヨルダンにも恩を売れる。

こうした背景情報を日本政府も把握しているのだとすると、後藤氏の奪還はますます遠い現実のように思えてくる。が、しかし。政府に捕虜交換の意思が無いと思えるからこそ、同胞を憂う国民が自ら行動を起こすしかないのである。各国様々な思惑が渦巻く中で、今の安倍政権ほど信頼できない政権はないのだから。

以上

緊急コラム:邦人人質殺害事件① あらゆる“テロ”を抑止すべく、国民が動くしかない #HarunaYukawa #KenjiGoto #ISIS #IAMNotAbe

ISISの若い工作員のツイートの片鱗から、片言の日本語ながらもその文意の中に驚くべき指摘が隠されていたことに気づいた。このツイートなんだが、彼は、「なぜ日本人は湯川氏が”事前に”殺害されていた可能性を疑わないのか理解できない」という趣旨のことを書いている。

> 正しい, 日本政府や日本市民がyukawaの殺害が前にされていたことを疑わないことが我々は理解しない 


つまり交渉前、身代金要求の例のお粗末な合成ビデオを公開する前に、湯川氏が殺害されていた可能性をなぜ検討しないのだろうという主旨の発言だと思う。これは重大な指摘である。そして、ビデオが合成されていることとも整合する。

つまり、あのビデオは生前の湯川氏と現在の後藤氏を合成したものであるということではないだろうか。72時間という、230億円を支払うのにはあり得ない短期間の条件も、そもそも支払われる訳がなく、既に処刑されている前提があればこその無茶な条件だった。そう、考えることができるのではないか。

むしろISIS側は、湯川氏を殺しておいたことへの動機付けが必要だった。そのために到底承服不可能な条件を突きつけ、事後の映像をいまになって公開したのではないか。そうすると、今回の後藤氏の解放条件が本命だということが見えてくる。

ISISのラジオ放送の動画がNHK等で確認されてはじめて、日本の報道各局は湯川氏が殺害されたことを認め始めたようだが、アメリカのオバマ大統領はいち早く、日本政府が生存を確認しているさなかに「哀悼の意」を伝えるメッセージを安倍首相に伝えた。つまり米側は死亡が事実である確証を持っていることの表れだ。

湯川氏が要求の事前に既に殺されていた理由は、「シリアに武器を卸していたこと」が動機らしい。それは若き工作員のこのツイートから判る。



>あなたの国は報道されていませんか? yukawaは銃を持ち Syria軍に銃を商売


つまりISIS側には湯川氏を生かしておく理由がなかった。だから処刑した。その事を隠し、生前の動画を使って湯川氏処刑の正当性を作り上げた。

それが、この短い彼のツイートから推測できるシナリオである。そうなると、ISISにとって利用価値があり、取引材料となるのは、生存している後藤氏の方ということになる。こちらが本命であり、交渉の唯一の材料。

今は亡き元イラクのアルカイダ最高幹部(米軍により2006年に殺害)の妹を取り戻すこと。その前段として、既に人質が一人殺されたという見せしめを行うことで、本来の目的である捕虜奪還を確実に達成できるようにしようとしている。そういうことなのではないだろうか。

さらに、日本政府はこの事実を把握していた可能性もある。湯川氏が拘束されたのは2014年8月で、そのことはただちに報道され、政府も当然承知し、先の官房長官の発表にあったように交渉はその頃から続けられてきた。ただ、途中で交渉が難航したことがあった。その時、実は湯川氏は交渉決裂により処刑されたのではないか。

政府はこれを承知しつつ、その事実をひた隠しながら、報道からも湯川氏のことが報じられなくなる頃、突如浮上したのが、解散総選挙だった。この選挙で自民党は確実に圧勝する計算があったようで、野党に躍進があったとしても絶対過半数を維持できるという確信があって、敢えて総選挙を行った。

結果、野党躍進はあったものの、それでも政権運営・国会運営に支障のない絶対安定多数を確保した。更に、湯川氏拘束や交渉の経緯などは、完全に忘却の彼方に忘れ去られた。そこに、外務省の策動によるものかわからないが、問題の文言が中東での発表に含められ、”寝た子”を起こす結果となった。

政府は湯川氏殺害の事実をこの時点で把握しており、つまり『テロに屈しない』という姿勢を頑なに守るという「正義」を世界に示せればよかった。人質は既に死亡しているのだから、奪還はできない。交渉したらノーコンセッションの原則に背くことになり、対テロ戦参戦の足並みを乱すことになる。

だから処刑の一報がISIS側からもたらされると、政府寄りのメディアではその是認に躊躇が見られ、そこにISIS側がダメ押しのラジオ放送で公式に発表を行い、アメリカ側もあっさりとこれを事実と認めたため、日本の各局も死亡を事実として報じざるを得なくなった。

これが現在に至るまでの真相ではないだろうか。つまり、これからが本番。本当に人質の生死をかけた交渉が始まる。その取引材料は、有志国軍のヨルダンとしても、これを先導する米英としても決して交換を認められる人物ではない。幾ら日本が多額の「人道支援」を行っているとしても、そのために刑の執行まで確定している死刑囚の交換に応じることができるか。

ISIS側・日本政府側の facade(見せかけの攻防)に世界はすっかり踊らされたが、これからが本当のテロリストとの交渉であり、肝心要のイベントとなるのではないか。この交渉でヨルダンに超法規的、かつ国王の権威すら落とす決定をさせられるかどうかが、日本の中東での価値を指し示す試金石となる。

米英は解放に全面的に協力すると表明しており、これは特殊部隊導入による奪還作戦すら含まれる可能性がある。幸い、今回の交渉には期限が明示されていない。つまりじっくりと腰を据えて対応を検討できる。ISISとしてもそれが望むところなのだろう。

湯川氏の遺族や友人には申し訳ないが、湯川氏の命はテロ集団と日本政府のかけひきの中で早くに失われていた可能性がある。憎むべきは、殺害を実行したテロ集団であるが、そのようなリスクを冒すことを可能にし、かつ交渉に失敗し、敢え無く死なせてしまった日本政府も同様に憎まれて然りだろう。

残った後藤氏が殺害される理由に、湯川氏のように利敵行為を行ったという理由はない筈だ。この「利敵行為」については日本政府の関与を疑う説もあるが、現在の焦点は殺す動機のない筈の後藤氏の殺害をどう食い止めるか、この一点にある。政府の総合的な情報力・交渉力が問われるのはこの時点からだ。

これで後藤氏の奪還にも失敗するような政府で、そのために貴重な人的資源としてのハサン中田氏のような橋渡しできる人物の申し出を断り続けるというのなら、それは政府として「国民保護のためにあらゆる手段を講じる」ことへの怠慢であり、実は初めから解放を求めるつもりなどないことの証左となるだろう。



その時に初めて、この一連の事案における安倍政権の目的が明らかになる。対テロ戦への本格参戦、関連法制整備のための理論(情緒的)武装、そして自衛隊海外派遣恒久法の成立と施行。名実ともに、有志国軍の一員となり、ISISとの対テロ戦に参戦し米英等各国との軍事的連携を深めること。

もしそんな政権の思惑のために後藤氏がスケープゴートにされようとしているのならば、心ある国民はこれをなんとしても阻止しなければならない。民意の総合力で、場合によってはISIS側に直接訴え、挑発ギリギリの嘲笑作戦を並行展開し、”私たちの対テロ戦”を展開するのだ。

日本政府の意図が不透明かつ、既に同胞を一人見殺しにしている事実を考えれば、「国民を守る」という責務のために政府が国家の利益を放棄するとは考えられない。私たち自身で、勝手に、できることを、各々でやるしかない。国家によるテロ・テロ集団によるテロ、あらゆるテロを抑止するために。

2014/12/09

#総選挙2014 今年最後の選挙は、十人十色の『MY争点』で"実感"を一票に代える"手前都合選挙"で丁度いい。 だから、 #投票に行こう

やさしさに欠けるこの社会に
必要なのは、思いやりのある政策。
血の通わないアベノミクスに、
私は『NO』を突きつける。




何度も主張しているが、今回の選挙は「政権都合の選挙」。だが選挙の主役・主賓はあくまで有権者である私たち国民。そして今回の「政権都合の選挙」こそ、私たちが「国民都合」にしてよい選挙といえる。言い換えれば、「等身大の選挙」ともいえる。

等身大のリアルな生活に「アベノミクス」を落とし込んだ時、それは自分の身近にどんな変化を及ぼしているだろうか。そしてアベノミクスを推進する現政権が立ち上がってから、自分で感じる社会の雰囲気の変化はどんなものだろうか。それに対して、『YES/NO』を選択する。そういう自分都合の選挙でよいと思う。

手前勝手な『MY争点』で丁度いい


社会経済に疎い人でも、アベノミクスが2年間で殆ど効果を示してこなかったことは、「実感」としてわかることだと思う。この実感が大事。選挙は本来、国民が実感していることを元に、一人ひとりがその実感を投票に反映する代替行動でしかない。だから感覚で投票してよいのだ。その総合が民意なのだから。

山崎さんの記事は、これまで私もなかなか言語化できなかったことを形にしてくれた。おかげで見えてきた。自分がなぜ「アベノミクス」が嫌なのか。現政権が「嫌い」なのか。それは現政権がこの国が、私たちが、どういう国に、社会になっていくかについて、不安しか与えてこなかったからだ。

現政権は、虚構や空論はもう沢山なのに、凝りもせずにそれしか主張しない。メディアを取り込んで癒着して、総動員で虚構や空論をまったく本来とは違う形で「見える化」して茶の間に届ける。一体どれだけ国民を馬鹿にしているんだろう。その虚構を見透かせば、不安は増すばかりなのに。

アベノミクスの本当の効果なんて、経済紙を理解できる人でなければ「実感」できない。政治家や御用学者はしきりに数字を出して効果を喧伝するけど、そんなもの本当は理論の範疇でしかない。

だから、アベノミクスの具体的に効果を検討して判断するなんて芸当、私たち一般国民にはできっこないし、する必要もない。そうしなければならないと、思う必要もない。それがまず心理的なトラップだと思ったほうがいい。「こうでなければならない」選挙なんてものがあれば、「自由な選択」は存在しなくなる。

選挙をどう考えるかなんて、政府や政党やメディアに講釈されることじゃない。私たちが各々、勝手に考えて、勝手に決めて、投票すればいいだけのことだ。争点だって、別にメディアに決めてもらうことじゃない。『MY争点』のようなものを持って全然いい。ただこの選挙の争点らしい血の通わないアベノミクスは、象徴的だ。

だからこそ、『MY争点』としても十分検討に値する。アベノミクスって、とどのつまり何だろうと。そう考えてみれば、アベノミクスは、政府が何か大きなことをやって、「景気」というものを作り出して「経済」をうまく回すための秘策で、庶民の生活のことはあまり考えてないみたいだ位のことは感覚的にわかる。そこから「評価」すればいい。

十人十色、いろいろな「色」があっていい


主婦のあなた

政府の看板政策を「評価」するに当たって、様々立場があると思うが、たとえば主婦は、食費や光熱費が安くなったかとか、子どもの養育費の心配をせずに済んだとか、子育てがしやすいとか。そんな生活に密着した「実感」があると思う。その実感が有るか無いかで評価を決めてしまえばいい。

サラリーマンのあなた

たとえば会社勤めのサラリーマンは、賃金や待遇がよくなったとか、社内で色々な改革が実行されて仕事しやすくなったとか、気兼ねせずに休みやすくなったとか、女性がいきいきと仕事するようになったとか、アルバイトやパートの人と付き合いやすくなったとか、そんな実感があれば「評価」に加えるといい。

非正規労働者のあなた

アルバイトやパートの人、派遣労働者(私もそう)の人は、安心して一つの会社とで働き続けるようになったとか、仕事が見つけやすくなったとか、非正規雇用なのに働き先の待遇がよくなったとか、職場の自分に対する扱いが変わったとか、そういう変化の「実感」が有れば「評価」に加えればいい。

学生のあなた

学生の人も立派な有権者。大学卒業間近になればもう選挙権もある立派な社会人。だから、学生の人の「実感」も大事。苦学生はいつの世もいる。そういう人が、周りに増えたか減ったか。就職の壁が厚いと感じるか。学生が社会活動でいきいきしていると感じるかなど。そういう「実感」が有れば、「評価」すればいい。

活動家のあなた

私は"元"活動家でもあるから、社会活動している人たちの立場も気になる。活動がしやすくなったか。助成金が得られやすくなったか。活動の制約が減ったか。周囲の理解が増したか、等。安心して活動できる裾野が広がったかどうかを「評価」すればいい。

クリエイティブなあなた

クリエイティブな職業に就く人だって、仕事がしやすくなったか、しづらくなったか。表現に制約が増えたか、減ったか。自分の分野で周囲で仕事が減ったか増えたか等の「実感」が有れば、それを「評価」すればいい。

医療に従事するあなた

医療に従事する人は、ともすれば組織票に縛られるのかもしれないけど、看護師や看護婦、医師、病院事務をやってる人だって、保険の適用の在り方や、補充人員に対する体制、仕事のしやすさ、気楽さなどの面での「変化」を「実感」していれば、それを「評価」に反映すればいい。

飲食に関わるあなた

飲食業を営んだり飲食に携わる人は、間近で人の消費傾向を見るだろうし、食材の価格や、市場の動向、その人件費への影響、ひいては職場での待遇やモラルなどに何か「実感」を感じるところはあるだろう。それを「評価」すればいい。

サービスに関わるあなた

飲食といえばサービス業だけど、ではホテルや旅行業者、旅館経営者とかが実感する「お客様の財布の紐のゆるみ具合」はどうかとか、大盤振る舞いする客が増えたとか(同時に金に物を言わせる横暴な客も増えたとか)、景気に敏感な業界ならでのは「実感」が有るだろう。それを「評価」すればいい。

たったこれだけの例で全部を網羅できたわけではないけど、このようにそれぞれの立場に応じて「実感」も十人十色になるのは当然。それが多様かつ「総合的な評価」としての民意を投票数ではっきり形にする。これが「国民都合」、もっといえば「手前都合」の選挙だと思えばいい。そして、それでいいのだ。

一言で括れないあなた(私)

この選挙では、まさに国民が一丸となって十人十色を出し合えばいい。その色が混然となったのが、いまの「この国の色」なのだから。私は自身の様々な立場から自分の「色」を投票という代替行動によって出す。皆さんも様々な立場から、この選挙の争点といわれるアベノミクスに自分なりの「評価」をして、「色」を出せばいい。

私は派遣社員であり、翻訳通訳者であり、コンサルタントであり、NGO役員であり、元議員秘書であり、現状のこの国で子孫を増やしたくない立場から、アベノミクスに象徴される政府の血の通わない政策に対7する等身大の総合評価として、この選挙で明確な『NO』を突きつける。

あなたはどうしますか?
自分の「色」を出しましょう。

#総選挙2014 #投票に行こう
ツイログ版(←個々のツイートが読めます)

「戦略的投票」のススメ