国境なき記者団 |
安倍晋三首相に特定秘密保護法案の撤回を求める
Prime Minister Shinzo Abe urged to abandon state secrecy bill
2013年11月27日(水)発行
『国境なき記者団(Reporters sans frontières / Reporters Without Borders / RSF)』は、日本の衆院で昨日26日、情報の自由に対する未曾有の脅威となり得る「特定秘密保護法案」が可決されたことに対する遺憾の意を表明し、安倍晋三首相の政府に対し、当該法案の撤回を求める。
「あらゆる都合の悪い情報を“国家秘密”に指定することのできる法を制定するようでは、どのようにして、福島原発事故の影響から怒り心頭する国民の間で高まる、更なる透明性を求める声に応えられるというのか」、RSFはこう述べた。
「秘密指定された情報を、“極めて不当な手段”で入手及びこれを掲載したとして対象者に重い刑罰を課すことで、日本の国会は調査報道を非合法化し、情報源の秘匿と公益の実現という報道の根本原則を踏みにじっている。」
当該法案では、「秘密」と判断される情報はその後5年間「国家秘密」扱いとなり、この期間は無期限で延長できる。秘密扱いの情報を漏洩した政府職員や報道記者を含む内部告発者(公益通報者)は、公表の根拠として「公益に資する」ことを証明することもなく、最長で懲役10年に処せられる。
当該法案は、報道記者を明示的に対象としており、当局により、入手した秘密情報の入手手段の適正さが判断されることになる。
安倍首相は、中国との海上国境線の問題や、北朝鮮の核開発への野心等の「アジアの変化する安全保障環境」を当該法案正当化の理由として挙げている。
外国特派員協会(FCCJ)は11月始めに声明を発表し、当該法案の廃案化か、少なくとも報道の自由を守れるだけの大幅な修正を国会に求めた。
当該法案の衆院での可決は、国境なき記者団が記録する報道の自由に対する侵害行為が相次ぐ中、とりわけ2011年の東日本大震災に伴い発生した福島原子力発電所事故後に、フリーランスのジャーナリスト等に対するそれらの行為の影響が高まる中で行われた。
福島原発事故後、その影響を報道する試みに対しては、政府に透明性の欠如を訴えようとしたジャーナリストが告訴されるなど、多くの妨害行為が行われてきた。
日本は、『2013年度国境なき記者団報道の自由度指標』(原典:2013 Reporters Without Borders press freedom index)において、179か国中53位という記録的な転落を喫した。これは、2012年度指標から実に31ポイントの降格である。
日本語版作成:『世界経済のネタ帳』 ※より完全な飜訳(他者サイト) |
Translation and additional links provided by: Office BALÉS News
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