麻生太郎氏「ナチス」発言を撤回 「誤解を招く結果となった」
(2013年8月1日付けハフィントンポスト)
麻生氏は撤回声明ではメモを読み上げながらこの前段にある部分について仰っていたんですが、文字起こしをしてみてわかったのは「静かにやる」ことを肯定されていることです。おそらく麻生氏の中では、「喧噪の中で静かに」ナチス憲法が制定されたという理解なのでしょうけれども、それは誤った認識です。
実際は喧噪のない中で整然と、粛々と憲法の無効化が進められ、全権委任法により議会ではなく政府に立法権が委譲されたなかで憲法はその効力を実質的に失いました。この根本的な理解が麻生氏(仮にも一国の副総理)には欠けているのです。その程度の認識でナチスを、たとえ反面教師であっても、一知半解に語ったことに問題があるのです。
↑以上は自身で投稿した日英字幕付きの動画でのコメント。
↓さらに詳細にハフィントンポスト英語版ににコメントした。日本語版でコメントしたものがブログに自動反映される筈だったが、されなかったので、補足付きで意訳したものを掲載する。
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麻生氏が“ブラックジョーク”として行った発言と、その発言を撤回するときに発表したコメントは、全く別のものである。
前者は、改憲を是とし推進する超保守的なシンクタンク主催する改憲支持者が多く集まる私的講演会で行われた内輪ウケするブラックジョークであり、その発言の意図は「我々も“彼ら”のように静かにやろうではないか?」というものであった。後者は、国内社会的にも国際社会的にも通用する模範的な説明を読み上げたものであり、本人の意図するものではなかった。したがって謝罪も訂正もなかった。
麻生氏の講演内容には、歴史的事実に対する自身の理解を披露する上で2つの決定的誤認がある。ひとつは、ワイマール憲法がナチの全権委任法(※この法律はナチが作ったものではなく既存のワイマール憲法上の法)の適用により“改正”などされることなく無効化されたという事実。もうひとつは、この全権委任法により、“静か”な体制の転換が、十分な国民的議論やマスコミの“ワーワー”といった“喧噪”が起きることなく可能とされたということ。
麻生氏は講演での発言で、マスコミが“ワーワー”と騒ぐことが問題を大きくし、たとえば靖国参拝については隣国の中国や韓国の注意を引き過ぎてしまったことを例に挙げた。その上で、憲法改正に関する国民的議論はそうした“喧噪”のない中でじっくりと行われるべきだとした。
これは、撤回時に読み上げたコメントの趣旨とはまるで異なる。
この矛盾について、正式な抗議声明を発した在アメリカのユダヤ系人権擁護団体『サイモン・ヴィーゼンタール・センター』の副所長であるエイブラハム・クーパー師は見逃していない。毎日新聞のインタビューでクーパー師は、こう述べている。
「正反対のことを話そうとした。もう少し説明してもらいたい」
麻生氏の、“内輪ウケするブラックジョーク”に関する発言撤回のコメントや説明は、その“ジョーク”に最も傷ついたユダヤ人コミュニティにとって納得に足るものではなかったということだ。最後にクーバ-師はインタビューでこう述べている。
「広島、長崎、ナチス、大虐殺でジョークが入り込む余地はない」
反論できる日本人がいたら・・・
いや人間として、その方がおかしいと私は思う。
オマケ:ある映画が伝える警鐘とメッセージ
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