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脱原発世界会議2

2013/04/25

《和訳》ふくしま集団疎開裁判:仙台高裁が子どもの避難を求める訴えを棄却(AP) via @yurikageyama(※Chrome以外で閲覧可)




ふくしま集団疎開裁判:

仙台高裁が子どもの避難を求める訴えを棄却
Japan court rejects demand to evacuate children


影山優理 2013.04.24 17:42

FILE - In this April 16, 2011 file photo, Wakana Nemoto, 3, standing next to her mother Naoko, receives a radiation exposure screening outside an evacuation center in Fukushima, northeastern Japan. A Japanese court has rejected a demand that a city affected by the fallout of the country's 2011 nuclear disaster evacuate its children. The unusual lawsuit was filed on behalf of the children by their parents and anti-nuclear activists in June 2011. The Sendai High Court handed down its ruling Wednesday, April 24, 2013. Photo: Hiro Komae
ファイル:2011年4月16日に撮影されたこの写真では、福島の避難所で母親(ネモト・ナオコさん)の隣に立って放射線被曝検査を受ける3歳の少女(ネモト・ワカナさん)の姿が映し出されている。日本で2011年に起きた原子力発電所事故の影響を受けた都市において、その都市の地方裁判所が子どもの疎開を求める訴えを棄却した。この異例な訴訟は2011年6月、子どもたちに代わって両親や反原発活動家らによって起こされた。仙台高裁は2013年4月24日、本件に関する判決を言い渡した。(撮影:コマエ・ヒロ)


[東京 24日 AP] 日本で2011年に起きた原子力発電所事故の影響を受けた都市において、その都市の地方裁判所が子どもの疎開を求める訴えを棄却した。この異例な訴訟は2011年6月、子どもたちに代わって両親や反原発活動家らによって起こされた。

いわゆる低線量被曝の健康に対する影響、とりわけ大人よりも大きな影響を受ける子どもの健康への影響に触れるこの裁判は国際的な注目を集めていた。

訴状で原告側は、郡山市には小・中学校に通う子どもたち(日本の法律では小・中までが義務教育の範囲)を疎開させる法的責任があると主張した。

判決の中で裁判所は、同市の放射線の積算線量が、震災前に安全と認められる基準を超えていることを認めた。その上で、要求通りに学校を疎開させる責任は政府にはないとし、実質的に、自主的避難を勧告する形となった。
 
弁護団の一人である柳原敏夫弁護士は、「原発事故に100%責任のない純粋の被害者である子ども」に対する判決として不公平だと反論した。

元の訴えは2011年12月、地方裁判所で棄却されていたが原告側は控訴した。今回の判決についても、原告側は控訴できる。

人口33万人の郡山市は、2年以上前、巨大な津波によって冷却システムが破損した結果、複数のメルトダウン(炉心溶融)事故を引き起こした福島第一原子力発電所から60キロほど離れた場所にある。この事故は、チェルノブイリの原発事故以来過去最悪の原発災害とされている。

チェルノブイリ以降、多くの子どもが甲状腺ガンを発症した。しかし、これらの症例は事故後数年経って初めて表面化した。

ガンの発症にはさまざまな要因が想定され、また人によってその発症の仕方がさまざまであることから、福島の子どもたちが同じ危険に晒されているかどうかは定かではない。放射能被ばくは、空気、食料、水のいずれからも起こり得るため、その因果関係は複雑である。

一部の専門家は、福島第一の立ち入り禁止区域の外でガンを発症する確率は、全国のどの都市においてガンを発症する確率と代わらないと主張する。しかし福島の住人は不安から自主的に県外に避難している。

政府の福島原発事故への対応は、人々に政府に対する強い不信感を植え付けた。何十万もの人々が日々反原発デモを行い、原子力の段階的廃止を叫んでいる。

一方、日本政府は、安全性を確認したのち全国の原子炉を再稼働する意向を表明している。



『ふくしま集団疎開裁判』ブログ 英語版 日本語版
日本語詳報記事: ふくしま集団疎開裁判~仙台高裁が却下
Original article: Japan court rejects demand to evacuate children
 (reprinted by permission from the original author, Yuri Kageyama)

2013/04/15

《和訳》ふくしま集団疎開裁判:子どもたちの避難の権利を求め両親らが代理訴訟(AP) via @yurikageyama【※Chrome以外で閲覧可】

ふくしま集団疎開裁判:

子どもたちの避難の権利を求め両親らが代理訴訟
Lawsuit seeks evacuation of Fukushima children


影山優理 2013.04.15 14:17

[東京 15日 AP] 要求は放射能に怯えない暮らしをする権利を認めること。原告は14人の子ども。2011年6月11日、福島市の地方裁判所でこの異例の訴訟が起こされた。原告は子どもたちで、その両親や反原発活動家らが代理で提訴した。

近日中にこの控訴審判決が下される。

福島市は、2年以上前、巨大な地震と津波によって損傷し放射能を撒き散らした原子力発電所から60キロほど離れた場所にある。

訴状は、人口33万人の郡山市に対し、年間1ミリシーベルト以下の自然放射線の被ばくレベルに収まる土地に子どもたちを避難させることを求めている。

権威に逆らうを善しとしない文化のなかで、この訴訟は、低線量被ばくによる健康への影響について見解の一致しない専門家と一般の人びとの意識の断絶を象徴する出来事となった。一部の専門家は避難の必要はないと主張するが、両親らは、大人よりも放射線の影響を強く受ける子どもたちへの長期的な影響を心配する。汚染された食料や水を摂取することも彼らの懸念材料となっている。

福島原子力発電所の事故以後、政府は年間の積算線量が20ミリシーベルトを超えるか否かを住民の避難基準の分かれ目とした。郡山市における平均線量はこの基準を遙かに下回るが、市内の一部の区域には、この基準を超える線量が計測される“ホットスポット”と呼ばれる場所が局所的に存在する。
「これは健康に重大な影響がなく人々が暮らせるレベルです。学者たちが安全なレベルと認めました。」

内閣官房のカワモリ・ケイタ事務官はこう話す。

福島における衛生安全の責任者である著名な医師は年間被ばく線量100ミリシーベルト以上、即ち自然放射線の100倍以上高くないかぎり、重大な影響はないとし、冷静な対応を呼び掛けている。

2011年12月、福島地方裁判所は放射線量が100ミリシーベルトの基準を超えていないとして原告の要求を退けた。健康と放射能に関する学術研究機関である国際放射線防護委員会(ICRP)は、被ばく線量減少化により被ばくのリスクは低下するが、リスクが全くなくなるという基準はないとする。

控訴から1年が経った今も、宮城県の仙台高等裁判所に申請されたままだ。

福島第一原子力発電所の事故よりも遙かに多くの放射線を放出した1986年のチェルノブイリ原発事故以降、旧ソビエト連邦政府は、福島第一の場合の20キロ圏内の立入禁止区域よりも広範囲な、発電所から30キロ圏内に住む女子どもの避難を優先させた。

当初訴訟に参加していた子どもの人数は、家族ごと任意で県外に逃れたり、子どもが成長するにしたがって、控訴の段階で10人に減り、現在は1人となってしまった。日本では法律上、中学進学までが市の義務教育の範囲であって、高校教育は義務ではない。

しかしこの訴訟は、福島の子どもたちにとって貴重な前例となっている。

弁護団の一人である柳原敏夫弁護士は、政府が子どもたちを保護することよりも人口が大きく変動することを恐れていると批判する。
「なぜ経済大国である日本で子どもが避難できないのか、理解できません。二次大戦中の軍政下でだって行われていたことなんです。」

と、1940年代に空襲を避けて子どもたちの集団疎開が行われたことに触れた。
「これでは児童虐待です。」

チェルノブイリ以降、多くの子どもが甲状腺ガンを発症した。医療の専門家の間では、白血病や心臓障害その他の症例も放射線被ばくによるものではないかと見られている。

福島では、子どもにおける甲状腺ガンの発症例が少なくとも3件は確認されている、ただし、原発事故との関連性は証明されていない。また国内のその他の地域でこれを比較できる症例は見つかっていない。

原告団に名を連ねる子どもやその家族はみな匿名で、排斥やいじめに遭わないようその詳細は公表されていない。
「なぜ日本が、私たちの福島が、チェルノブイリと同じ過ちを再び起こそうとしているのでしょうか?」(※1)

法廷に提出した文書である母親はこう訴えた。
「子どもを守るのは、大人の責任ではないのでしょうか?」(※2)

大手マスコミはほとんど訴訟に関心を示さないが、定期的に大規模な抗議活動を行っている反原発活動家らの支持を集めている。

これらの中には、ミュージシャンの坂本龍一氏や、漫画家のちばてつや氏、そしてアメリカの言語学者で政治活動家でもあるノーム・チョムスキー氏などの著名人も含まれる。

この中で、チョムスキー氏は次のような応援のメッセージを贈っている。
「社会が道徳的に健全であるかどうかをはかる基準として、社会の最も弱い立場の人たちのことを社会がどう取り扱うかという基準に勝るものはなく、許し難い行為の犠牲者となっている子どもたち以上に傷つきやすい存在、大切な存在はありません。」(※3)

訴訟を起こした14人の子どものうち、家族と自主避難した12歳になる女の子は、不安を手書きの声明に綴った。
気をつけていても<がん>になるかもしれない。生まれてくる赤ちゃんに影響があるかもしれない。

※1,2,元の日本語の取材メモ待ちのため暫定訳を適用
※3 『ふくしま集団疎開裁判』ブログより引用


『ふくしま集団疎開裁判』ブログ 英語版 日本語版

Original article: Lawsuit seeks evacuation of Fukushima children
 (reprinted by permission from the original author, Yuri Kageyama)
Translated by: OfficeBALÉS

2013/03/24

緊急指摘:IWJ翻訳【ブログ記事:TPP交渉、日本の『聖域』は守られない!米通商代表部声明により判明】は、誤った理解と誤訳に基づいている。


はじめに

下記、環太平洋経済協定(TPP)の条約交渉の進捗に関する2013年3月13日付けの米国通商代表部(USTR)の表明(以下、USTR313)について、Independent Web Journal(IWJ)は同3月15日付けで下記の独自翻訳(以下、IWJ315)を行った。

IWJは3月20付けのフォロー記事(以下、IWJ320)において、「『customs』は『税関』を意味する用語であり、『関税』は『tariffs』であり、誤訳ではないか」という指摘があったが、USTRに対して直接取材を行った結果、「声明に用いられた「customs」の語は、「関税」と翻訳するのが妥当であると考えられ」またUSTRがなにがしか特定の意味に限定していない以上、「関税」という訳を「誤訳である」と断言することはできない」と結論付けている。
この直接取材から導かれる結論には、3つの誤認(ミス)が包含されている。

IWJの3つの誤認

  1. 公式用語・定義からの乖離TPP交渉の交渉ホスト国である米国のUSTRは、Web上に公開されている同交渉に関する基本文書(『TPPの輪郭(Outlines of the Trans-Pacific Partnership Agreement)』において、交渉で使用される公式用語及び定義(いわゆるリーガルテキスト=法文)を定めている。その中で"customs"についての定義は以下のように定められている(※1)。曰く、(A)「TPP交渉の各国担当者は、"customs"に関する文書に含まれる主要な要素について、また予測可能で透明性があり、貿易を迅速化及び促進することでTPP関連企業の域内での生産やサプライチェーン構築に寄与する税関手続き(customs procedures)に関するその根本的な重要性について合意した。」とある。さらに、(B)「この文書により、加盟各国の税関当局が税関法及び規則(customs laws and regulations)を厳格に執行でき、かつ、税関(customs control)からの商品の解放が可能なかぎり迅速に行われる環境を確保される」とあり、(C)「TPP交渉の参加国は、合意内容、並びにその他税関(other customs matters)に関連する事項の有効な実施と運用を確保するため、[税関]当局間(between authorities)の緊密な協力の必要性について合意した」とある。このことから、TPP交渉において使用される"customs"という用語は、主に「税関」「税関手続き」「税関協力」などを差すことがわかる。IWJ320検証では、このことが念頭に置かれていない。
  2. 公式グループ名に対する認識の齟齬IWJ315の独自翻訳では、交渉グループ名を「関税(customs)」としており、以降の文章においても「関税」を使い続けている。ところが、前項1のリーガルテキストの定義に伴い、グループ名にも公式な名称がある。これは、2010年6月17日付けのUSTR発行『TPP NEWS』(以下、USTR617)の内容からわかる(※2)。USTR313で「"customs"に関するグループ」とされているのは、"Customs Cooperation Group"(税関協力グループ)である。したがって、2010年以降、税関に関する協議を行ってきたのはこのグループであり、2013年3月をもって、このグループは3年間に及ぶ協議を終えたというのが正しい理解となる。USTR617にも登場するこの「税関協力」という用語は、これまで日豪二国間協定においても使用されたことがある。通商協定の枠組みの中で、「税関協力」は”一般的に”使用される言葉なのである。したがって、IWJ315の独自翻訳においても、本来グループ名は原文では"customs"と略記されていても、翻訳では”税関”あるいは"税関協力”とすべきだったのである。
  3. 直接取材内容の理解不足IWJ320において、IWJは米国政府(USTR関係者)に直接取材したことにより、「(TPP交渉において)『customs duties』と『tariffs』という用語は同じ意味で、置き換え可能です。声明文の中の『customs』は一般的な意味で使われています」との回答を得たことを検証成立の根拠としている。この中で、文章全般の「customs dutiesとtariffs」についての部分は"customs duties(通関税)"である場合は、tariffs(関税)と同義であるという意味である。一方、後半の「声明文の中での"customs"は」というくだりにある"一般的な意味"というのは、これもあくまで”TPP交渉の中での一般的な意味”という含意がある。すなわち、前項2で説明したように、ここでUSTRがいう"一般的な意味"とは、この場合リーガルテキスト(法文)上の一般な意味であり、「税関」「税関手続き」あるいはグループ名でもある「税関協力」を意味するのである。おそらくUSTRは、「TPP問題を追うジャーナリストならリーガルテキストのことくらいは承知しているだろう。だから、TPP交渉で“一般的に使われる意味”は理解している筈だ」という認識のもとに「一般的な意味」という表現を使ったのだろう。そのことを読み解けなかったIWJ側の理解不足であり、ミスである。

    ※1 協定基本文書『TPPの輪郭』におけるリーガルテキストの説明

    (A)
    Customs. TPP negotiators have reached agreement on key elements of the customs text as well as on the fundamental importance of establishing customs procedures that are predictable, transparent and that expedite and facilitate trade, which will help link TPP firms into regional production and supply chains. (B)The text will ensure that goods are released from customs control as quickly as possible, while preserving the ability of customs authorities to strictly enforce customs laws and regulations. (C)TPP countries also have agreed on the importance of close cooperation between authorities to ensure the effective implementation and operation of the agreement as well as other customs matters.

    ※2 USTR617における交渉グループ名の表記箇所

    Several working groups from the eight TPP partner countries – Australia, Brunei Darussalam, Chile, New Zealand, Peru, Singapore, the United States, and Vietnam – began negotiations today on various issue areas, while others continued their talks. Groups continuing or beginning negotiating sessions were:

    • Lead Negotiators

    • Capacity Building

    • Cross-Border Services

    • Customs Cooperation

改訳

以上の3点を踏まえ、下記USTR313(原文)IWJ0315(翻訳)を元に改訳したものが、下記のBALÉS324(改訳)である。

U.S. Chief Negotiator and Assistant U.S. Trade Representative Barbara Weisel reports that building on the consensus the TPP countries have already achieved on a significant number of the issues under negotiation, during this round the 11 delegations intensified their drive to find mutually-acceptable paths forward on the remaining issues in the legal texts of the agreement. As a result of active intersessional engagement, and the pragmatism and flexibility shown by all countries during this round, the delegations succeeded in finding solutions to many issues in a wide range of areas such as customs, telecommunications, investment, services, technical barriers to trade, sanitary and phytosanitary measures, intellectual property, regulatory coherence, development, and other issues. With this progress, some negotiating groups, including customs, telecommunications, regulatory coherence, and development will not meet again to discuss the legal texts in future rounds and any remaining work in these areas will be taken up in late-stage rounds as the agreement is finalized. This will allow the TPP countries to concentrate their efforts on resolving the most challenging issues that remain, including related to intellectual property, competition, and environment.
The 11 countries also made progress during this round in continuing to develop the comprehensive packages that will provide market access for goods, services and investment, and government procurement. Productive exchanges occurred on tariff packages on industrial goods, agriculture, and textiles, as well as on rules of origin and how best to promote the development of regional supply chains in order to benefit companies based in the United States and the other TPP countries. In addition, negotiators discussed each country’s proposals to open services and investment and government procurement markets. The 11 countries agreed on additional intersessional work to build on market access advances made since the last round, to continue movement toward outcomes consistent with the high level of ambition that Leaders agreed to seek.

IWJ315(翻訳)

アメリカの主席交渉官でUSTR代表補のバーバラ・ワイゼルは、TPP参加国がこれまで達成した非常に多くの交渉問題に関する意見の一致に基づき、本会合において11か国の代表は、残存する問題について相互受け入れ可能な道筋を見つけ、合意の法文化を進める動きを進展させた。活発な会期間の折衝や、会合における全参加国が見せた実用主義や柔軟性の結果、関税、通信、投資、サービス、貿易における技術的障害、衛生や植物検疫の手法、知的財産、規制の統一、開発やその他の問題など、多岐に渡る領域において、多くの問題に対する解決を見出すことに成功した。この進展をもって、関税(customs)、通信(telecommunications)、規制の統一(regulatory coherence)、開発(development)を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合で法的文書に関して再度集まっての議論は行われず、これらの分野において残った課題は、合意がファイナルとなる最終ステージの会合で取り上げられる予定である。このことにより、TPP参加国は、知的財産権、(公的機関の)競争、環境といった、残った最も難しい問題の解決に努力を集中させることができる。
11か国はまた、本会合において、商品やサービス、投資、政府調達のための市場アクセスを提供する包括提案を継続して進めることにおいても進捗を見せた。産業製品、農業、繊維製品の関税一括法案に加え、原産地規則、そしていかにアメリカや他のTPP参加国の企業にとって有益となるための地域的なサプライチェーンの発展を最大限促すかということについて、生産的な意見交換が行われた。また、交渉担当者は、サービス、投資、政府調達の市場を開くための各国の提案を議論した。11か国は前回の会合から進展した市場アクセスに基づいて、会期間のさらなる課題についても合意に至り、各国首脳が目指す高いレベルの志にふさわしい結果に向けての動きを続けた。

BALÉS324(改訳)

米国主席交渉官で米国通商代表補佐官であるバーバラ・ワイゼルは、これまで多くの交渉課題についてTPP交渉参加国が到達したコンセンサスに基づき、法文策定プロセスにおける残存する問題について、本会合において11か国の代表が相互に受け入れが可能な道筋に向け事態を進展させたと報告する。会期間の活発な折衝や、本会合において全参加国が示した実務志向と柔軟性により、税関協力、通信、投資、サービス、貿易における技術的障害、衛生及び植物検疫手法、知的財産、規制の整合、開発その他を含む多岐に渡る課題について、解決を見ることができた。この進展をもって、税関協力(customs)、通信(telecommunications)、規制の整合性(regulatory coherence)、開発(development)分野を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合において法文策定に関する協議を行わず、これらの分野で残った課題については、合意の最終段階に至る交渉ステージにおいて取り上げられることとなる。これにより、TPP参加国は知的財産(intellectual property)、[政府調達における] 競争(competition)、環境(environment)等を含む、最も困難な課題の解決に専念することが可能となる。

11か国はまた、本会合において、物品、サービス、投資、政府調達のための市場アクセスを提供する包括的なパッケージの提案の継続においても進捗を見せた。工業製品、農業製品及び繊維製品に関する関税パッケージに関する議論だけでなく、原産地規則や、米国及びその他のTPP参加国に有益な地域的サプライチェーンの発展を最大限に促す方法等について、建設的な意見交換が行われた。また交渉担当者らは、サービス、投資、政府調達の市場を開放するにあたって提示された各国の提案について議論を行った。11か国は、前回会合で達成した市場アクセスに関する議論の進展に基づき、各国首脳が求める高水準の目標達成に相応しい方向性において会期間中に行うべき追加の作業についても合意に至った。

補足:外務省の「税関」の表記について

IWJは、IWJ320で日本政府外務省が2013年3月18日まとめた交渉会合の内容(以下、MOFA318)について2つの指摘を行っている。
  1. "customs"を「税関」と訳している。
  2. 用語の登場順序が変えられている。
この一連の指摘について、(1)は上記に詳述した通りである。(2)については、これは上記に詳述した理由に基づいて"customs"が「税関」「税関手続き」あるいは「税関協力」であると理解すれば、日本政府にとって、交渉グループのテーマの一つでもある「税関協力」はさして重要な課題ではないことがその掲載順序に示されていると解釈できる。逆に、日本政府にとっては、これまで行われた議論において、最も重要視しているのが「規制制度間の整合性」であることが暗示されている。

またMOFA318における問題の文では、"customs"は単に「税関」とされているが、これは税関に関連する諸処の分野、すなわち「税関手続き」「税関協力」の総称だと考えれば、妥当な表現であることがわかる。

MOFA318における問題の文:

規制制度間の整合性,電気通信,税関及び開発については良い進展があった。これらの分野の残された作業は,協定を完成する段階において取り扱うこととし,当面は,これらの分野の作業部会は開催されないこととなった。これにより,交渉参加国は,知的財産,競争,環境等といったより困難な分野の問題解決に努力を集中させることが可能となる。

改訳したBALÉS0324におけるUSTR313の当該文:

この進展をもって、税関協力(customs)、通信(telecommunications)、規制の整合性(regulatory coherence)、開発(development)分野を含むいくつかの交渉グループは、今後の会合において法文策定に関する協議を行わず、これらの分野で残った課題については、合意の最終段階に至る交渉ステージにおいて取り上げられることとなる。これにより、TPP参加国は知的財産(intellectual property)、[公的調達における] 競争(competition)、環境(environment)等を含む、最も困難な課題の解決に専念することが可能となる。


最後に


今回の総合的な指摘により、IWJの誤認及び誤訳を指摘することになったが、これはIWJの非を追求するためでなく、むしろその拙速な行為を戒めるための試みである。既存の様々な情報を検証することもなく、一般的な理解の元に自説を展開し拡散することのリスクを分かってほしいがための指摘である。

TPPに間して、世論は真っ二つとはいわずとも割れている。その中で、TPP反対派(私を含む)にとって、今回のIWJの発見と指摘は、有利な論理展開をするための格好な材料だっただろう。しかし、それが誤認・誤訳に基づいてるものとなっては、逆撃を被ることになる。実際、私の今回の指摘は、その逆撃を呼び込むことになるかもしれない。それは承知している。だが、事実と異なることを事実と「報じる」メディアはたとえ市民メディアであろうと放置はできない。また誤りが誤りであることを認めなくては、既成の大手メディアと変わらない。そのための戒めの意味が込められている。

今回の事実の確認により、「税関」に関する議論は一旦終了するが、「関税」に関する議論は引き続き、交渉の中で行われることが判明した。TPP反対派は、この事実を潔く認め、正しい事実認識のもと、USTR313の表明に拠らずに、反対論を再構成しなければならない。

そのための機会として改訳と解説を提供した。そういう心積もりである。

以上、意図の誤解なきようお願いしたい。

2013.03.24 米国オハイオ州にて
Office BALÉS

2013/03/16

転載歓迎:映画『サバイバル・ジャパン~3.11の真実~』のクリス・ノーラン監督から日本の皆様へのメッセージ


ノーラン監督から日本全国の皆様へのメッセージ
A personal message from Director Chris Noland to all people of Japan

3.11当日に放送されたNHKニュースの取材に応えるノーラン監督
Director Noland responding to NHK's news interview aired on 3.11


皆様、

東北での甚大な地震と津波、福島での惨事の中、ボランティア活動に参加できたことを、大変誇りに思います。震災の間、被災者の方々とお会いするなかで、彼らの声が社会に届いていないと感じました。多くの人々が、解決されていない問題をたくさん抱えており、現在もなお、処理されてていない課題があります。私がこれらの問題を映像にすることの主な目的は、日本を前進させることです。私たちは、過去を理解しなければ前に進むことができないのです。私は、日本がこの震災を克服することができると、強く信じております。そしてそれは、単なる再建ではなく、日本を世界で一番良い国へと改革することであるはずです。

この映画は、震災中に生じた問題を6ヵ月に渡り記録したものです。これらの問題の多くは未だ解決されていません。この映画を是非、ご友人やご家族、同僚の方々にお奨めしていただくよう、お願いします。できる限り多くの人々に、この映画をご覧いただきたいのです。いま世界では、多くの国で、すべての人のために変化が求められています。政府や大企業は私たちのことを考えておらず、彼らに委ねられている地球環境への配慮を欠いています。私は、この映画をすべての人に観ていただきたいと考えております。そして、この映画が人々に啓発的な効果をもたらし、共にこの世界を変えることができればと願います。私は、この映画の製作に、無償で2年の歳月を費やしました。この映画は、日本においては無料で公開したいと考えていますが、唯一皆様にお願いしたいのは、映画をご友人に紹介していただき、感想を伝えていただきたいということです。

映画の製作は困難でしたが、名誉なものでした。本当にありがとう。日本の皆様への感謝を忘れることはありません。このような体験ができ、私は生まれ変わることができました。利己的な人間から、世界に変化をもたらすために、他者に力を与えたいと願う人間へと。このような啓蒙的な体験を、他の人々にも引き渡すことができればと願っております。そして、いつ、どんなときも、日本に感謝しています。ありがとうございます。

監督 クリストファー・ノーラン

--

I was honored to volunteer in the Great Tohoku Earthquake, Tsunami and Fukushima Disaster. As I met people during the disaster, I felt their voices were not being heard. Many people had many problems there were not addressed, and some still not today. My main point to bring these to film was so that Japan could move forward. WE can only move forward by truly understanding our past. I feel strongly that Japan can overcome this disaster, and not just rebuild but reinvent Japan into the best country on the earth.

The movie contains 6 months of problems that happened during the disaster. Many of these problems still exist today. If I could ask each and everyone of you, please share this film with your friends, family and co-workers. We want as many people to see the film as possible. Change must occur in our world today for everyone, in many countries. Our Governments and large corporations are not taking care of us or the planet as we intrusted them to. I urge all people to share this film and hopefully it can have an enlightening effect on everyone and together we can change the world. I spent 2 years of life working on this for no payment. I think it should be available to Japan for free, the only thing I ask for in payment is that you share it with your friends and leave your commentary.

Thank you so much, it has been difficult but an honor to make this film. I will always thank the people of Japan for this experience, it turned me into a new person. From a selfish person, to someone who is not selfish and wishes to help empower others to make change in the world. I wish to pass this enlightenment on to others, and I will always, always Thank Japan for that.

Thank you very much

Christopher Noland
Director

--

日本のメディアが報道しない東日本大震災の真実
原発の実態をアメリカ人監督が斬るドキュメンタリー映画
『サバイバル・ジャパン~3.11の真実~』
配信期間: 2013年3月11日~4月10日
無料動画: GyaO! http://t.co/RJnOmZiUnC

公式トレーラー(字幕・テキスト・英語の発言は英語のまま)

2013/03/10

《英訳》The Invisible Bomb - Readapted - みえないばくだん えいごリアダプト版



This video is dedicated to all lives that 
were lost and all those who have suffered 
since March 11, 2011.
この動画を震災で失われたすべてのいのちと
震災で苦しむすべての人たちに捧げます。
2013年3月9日


Other languages:

2013/01/06

《和訳》息子グレゴリーとのiPhone使用誓約書 (Gregory's iPhone Contract)


息子グレゴリーとのiPhone使用誓約書


2012/12/25

グレゴリーへ

メリー・クリスマス!
あなたもついに、iPhoneオーナーの仲間入りです!やったね!

あなたは責任感のあるお利口な13歳。この贈り物を受け取るのにふさわしい子です。
ただし、この贈り物を受け取るからには、守らなければならないルールや規則があります。
以下の条件をしっかり読んで、守ってください。

私には母として、あなたを道理をわきまえた、健全な若者に育てる義務があります。
それは、テクノロジーに支配されるのではなく、テクノロジーと共存できる人間にするということ。

以下の条件を守れなかった場合、あなたはiPhoneの所有権を失います。

大好きな大好きなあなたと何百万件ものSMSをやりとりするのを楽しみにしています。

  1. これは私のiPhoneであり、私が買ったもの。私が代金を払うものです。それを私はあなたに貸しているのだということを忘れないこと。感謝を忘れないでね。
  2. パスワードは必ず私に教えること。
  3. 端末が鳴ったら必ず出ること。これは「電話」です。なので、マナーをわきまえて、きちんと「もしもし」と言いましょう。たとえ発信者が「ママ」や「パパ」であっても、決して無視しないで、必ず出ること。
  4. 学校のある日は、午後7:30きっかりに、週末は午後9:00きっかりに、どちらかの親に端末を返すこと。端末は次の朝の7:30まで電源OFFになります。相手が固定電話しかなく、相手の親が先に電話に出る可能性がある場合は電話はせず、SMS(※訳注)も送らないこと。自分の直感を信じて、相手を思いやる気持ちを忘れないように。
  5. 学校には持っていかないこと。SMSをする相手とは、直接話をしなさい。人生のスキルを磨きましょう。※半日登校日や修学旅行、部活の場合は、別途検討します。
  6. 万が一、端末を トイレに落としてしまったり、床に叩きつけてしまったり、紛失したりした場合、修理費や購入費は自己負担すること。芝刈りをしたり、ベビーシッターをしたり、貯金をためたりすることで、自分で対応しなさい。必ず起こり得ることなので、きちんと備えること。
  7. iPhoneのテクノロジーを使って、人に嘘をついたり、馬鹿にしたり、だましたりしないこと。
    人を傷つけるような会話には加わらないで、人のためになることを第一に考えなさい。なるべく問題に巻き込まれないようにしてください。 
  8. 人に面と向かって言えないようなことを、この端末を通じてSMSしたり、メールしたり、発信しないこと。
  9. 相手の親が目の前にいたら絶対に言えないことを、この端末を通じてSMSしたり、メールしたり、発信しないこと。自制の心を働かせましょう。
  10. ポルノは禁止。Webでは私とシェアできるような情報を検索するようにしてください。何が疑問があれば、誰か(できれば、ママかパパ)に訊くこと。
  11. 公共の場では、電源を切るか、マナーモードにすること。とくにレストランや映画館、あるいは人と話しているときはなおさらです。あなたは決して失礼をしない子です。iPhoneがそれを変えるようなことがあってはダメ。
  12.  あなたの大事な所の写真を送ったり、誰かの大事な所の写真を受け取ったりしないこと。そこ、笑わない。あなたがどんなに賢い子でも、いつかその誘惑にかられる時期がきます。これはとてもリスクのある行為で、あなたの青春時代、学生時代、そして社会人としての生活を壊してしまう可能性があります。絶対によくない選択なのです。インターネットはあなたよりはるかに広大で強大。こういった深刻なものを消し去るのは容易なことではないし、まして風評ならなおさらです。
  13. 写真や動画を撮りまくらないこと。何もかもを記録する必要なんて、ありません。色々な経験を自分自身で感じてください。その記憶は永遠にあなたの中に残るでしょう。
  14. ときには、iPhoneを家に置いてでかけること。そして、その判断に自信を持つこと。これは生き物ではないし、あなたの一部でもありません。これなしでも生活できるようにしてください。FOMO(fear of missing out:自分が取り残される不安)よりも大きく、強い人間でいてください。
  15. あなたの友達全員が聴くような音楽ばかりではなく、新しい音楽や古い音楽もダウンロードすること。あなたの世代は、人類史上かつてないほど多くの音楽にアクセスできるのよ。このメリットを存分に生かして、あなたの視野を広げてください。
  16. ときには、ワードゲームやパズルなどの頭脳ゲームで遊ぶこと。
  17. 上を向いて歩くこと。自分の周りの世界で何が起きているのかをよく見て歩いてください。窓から外を覗いてみてください。鳥のさえずりに耳を傾けてください。散歩してください。知らない人に話しかけてみてください。グーグル検索せずに、外の世界に飛び出してみてください。
  18. たぶん、あなたは失敗します。その時には、この端末をあなたから奪うことになります。でも、その時は一緒に話し合いましょう。また一から始めましょう。私もあなたも、いつも互いに何かを学び合っています。私はあなたのチームメイト。だから、一緒に考えていきましょう。

あなたがこれらの条件に同意してくれることを願っています。これらの条件のほとんどは、iPhoneの使い方ではなく、人生をうまく生きていくための条件といえるものなのだから。あなたは、めまぐるしく変わり続ける世界に生きています。それは、とてもエキサイティングで魅惑的な経験だと思う。だからこそ、なるべくシンプルに生きてほしい。どんな機械やガジェットよりも、あなたの強い意思の力と大きな心が勝るのだということを忘れないで。

あなたが大好きです。
素晴らしいあなたのiPhoneの世界を楽しんでね。

メリー・クリスマス!

沢山のキスを込めて


ママより


※訳注:SMS=ショート・メッセージ・サービスの略。日本でいう「Cメール」(au)や「ショートメール」(ドコモ)などのことだが、最近のスマホでは電話番号だけでSMSも送れるようになっているものが多い。英語では通常「テキストする(texting)」という。

新しいガジェットでママと一緒にあそぶグレゴリー君
(写真:
Good Morning America)

Original Text by: Janell Burley Hofmann
Original Translation by: Akira Uchimura
New Translation by: Office BALÉS
Related Report: BLOGOS
Comments: BLOGOS

※一部読者から指摘を受け、翻訳に漏れがあることがわかり
翻訳を修正しました(赤字箇所)。ご指摘ありがとうございました。

2013/01/04

MESSAGE FROM KIYOSHIRO IMAWANO, THE ROCK LEGEND

Original message: Japanese
Background: Japanese
Readout: 1/2 2/2

Original TItle: 日本国憲法第9条に関して人々はもっと興味を持つべきだ
"People Should Pay More Attention to the Article 9 of Our National Constitution"

[Readout: 1/2]

After the earthquake there comes war. 
Politicians wanting their military will talk big on TV. 
And they will fool their people into going to war,
while they just sit and watch from their little sanctuary.
It's been five years since the Great Kobe earthquake.
I remember waking up in a room flooded with water in Osaka.
I turned on the TV and I saw about five parts of the city on fire.
But I thought they would subside soon so I went right back to sleep.
When I woke up six hours later, the entire city of Kobe was up in flames.
What the fuck is wrong with this country?
The reconstruction money fell into the hands of the big-shot contractors,
while local construction companies were filing bankruptcies.
This is what Japan—my own country—is all about.
A politician retained his power using his long-dead movie star brother's name as a catch.
That brother starred in a film as a drummer and he admitted he's not about rock n' roll.
The politician is so tainted with anti-Americanism that he can't take it back no more.
Soon, R&B and rock n’ roll will be outlawed.
Politicians are all so fond of the "Defense Agency."
They taunt they want to help others and help maintain world peace, 
while the truth is that they just wanna use the military to conquer the entire world.
Do I sound like a communist?
I only strive doing rock n' roll.
Yes, I lived on music for so long that didn't sell.
I never thought about learning anything from it.
I was just happy doing my thing. 
I never thought about using it for any particular purpose.
I'm not like those assholes; 
assholes who deceive and use their people
What in the hell do they think they can achieve through that?
And what’s with the budget?
Who is deciding what to do with it?
There are people who will kill for a hundred grand.
And there are people who move tons of money, just like that.
What the hell is wrong with this country?
Yes, the country I was born to and grew up in.
[Readout: 2/2]
Well, let's think about it...
Article 9 of our National Constitution.
Doesn't it sound exactly like what John Lennon would say?
I mean, we're saying that we will renounce war and strive for world peace.
We ARE exactly like John Lennon.
Forget about wars. Let's live in peace.
And let's live in a fair and equal world.
Then I think we can all be happy.
Kiyoshiro Imawano

Published: September 2000
Translated and adapted by: Office BALÉS


About the Original Author: Dubbed "The King of Rock" in Japan, the late Kiyoshiro Imawano wrote this piece in 2000 for his book but did not publish it in the main chapters. His long friend, an influential artist, and avid peace activist and anti-nuclear supporter Reiko Yukawa tweeted the photocopy of the manuscript that caught many of her followers' attention at the end of 2012. Imawano was a long anti-nuclear and peace activist who wrote and performed the controversial cover of Elvis's "Love Me Tender"  as an anti-nuclear protest track which was too controversial that his distributor, Toshiba EMI (group company of one of the nuclear giants) decided to cancel the release of his album. Right up to his death in May 2009 at the age of 58, he remained an active peace advocate who always chanted love and peace in his concerts.