やさしさに欠けるこの社会に
必要なのは、思いやりのある政策。
血の通わないアベノミクスに、
私は『NO』を突きつける。
何度も主張しているが、今回の選挙は「政権都合の選挙」。だが選挙の主役・主賓はあくまで有権者である私たち国民。そして今回の「政権都合の選挙」こそ、私たちが「国民都合」にしてよい選挙といえる。言い換えれば、「等身大の選挙」ともいえる。
等身大のリアルな生活に「アベノミクス」を落とし込んだ時、それは自分の身近にどんな変化を及ぼしているだろうか。そしてアベノミクスを推進する現政権が立ち上がってから、自分で感じる社会の雰囲気の変化はどんなものだろうか。それに対して、『YES/NO』を選択する。そういう自分都合の選挙でよいと思う。
手前勝手な『MY争点』で丁度いい
社会経済に疎い人でも、アベノミクスが2年間で殆ど効果を示してこなかったことは、「実感」としてわかることだと思う。この実感が大事。選挙は本来、国民が実感していることを元に、一人ひとりがその実感を投票に反映する代替行動でしかない。だから感覚で投票してよいのだ。その総合が民意なのだから。
山崎さんの記事は、これまで私もなかなか言語化できなかったことを形にしてくれた。おかげで見えてきた。自分がなぜ「アベノミクス」が嫌なのか。現政権が「嫌い」なのか。それは現政権がこの国が、私たちが、どういう国に、社会になっていくかについて、不安しか与えてこなかったからだ。
現政権は、虚構や空論はもう沢山なのに、凝りもせずにそれしか主張しない。メディアを取り込んで癒着して、総動員で虚構や空論をまったく本来とは違う形で「見える化」して茶の間に届ける。一体どれだけ国民を馬鹿にしているんだろう。その虚構を見透かせば、不安は増すばかりなのに。
アベノミクスの本当の効果なんて、経済紙を理解できる人でなければ「実感」できない。政治家や御用学者はしきりに数字を出して効果を喧伝するけど、そんなもの本当は理論の範疇でしかない。
だから、アベノミクスの具体的に効果を検討して判断するなんて芸当、私たち一般国民にはできっこないし、する必要もない。そうしなければならないと、思う必要もない。それがまず心理的なトラップだと思ったほうがいい。「こうでなければならない」選挙なんてものがあれば、「自由な選択」は存在しなくなる。
選挙をどう考えるかなんて、政府や政党やメディアに講釈されることじゃない。私たちが各々、勝手に考えて、勝手に決めて、投票すればいいだけのことだ。争点だって、別にメディアに決めてもらうことじゃない。『MY争点』のようなものを持って全然いい。ただこの選挙の争点らしい血の通わないアベノミクスは、象徴的だ。
だからこそ、『MY争点』としても十分検討に値する。アベノミクスって、とどのつまり何だろうと。そう考えてみれば、アベノミクスは、政府が何か大きなことをやって、「景気」というものを作り出して「経済」をうまく回すための秘策で、庶民の生活のことはあまり考えてないみたいだ位のことは感覚的にわかる。そこから「評価」すればいい。
十人十色、いろいろな「色」があっていい
主婦のあなた
政府の看板政策を「評価」するに当たって、様々立場があると思うが、たとえば主婦は、食費や光熱費が安くなったかとか、子どもの養育費の心配をせずに済んだとか、子育てがしやすいとか。そんな生活に密着した「実感」があると思う。その実感が有るか無いかで評価を決めてしまえばいい。
サラリーマンのあなた
たとえば会社勤めのサラリーマンは、賃金や待遇がよくなったとか、社内で色々な改革が実行されて仕事しやすくなったとか、気兼ねせずに休みやすくなったとか、女性がいきいきと仕事するようになったとか、アルバイトやパートの人と付き合いやすくなったとか、そんな実感があれば「評価」に加えるといい。
非正規労働者のあなた
アルバイトやパートの人、派遣労働者(私もそう)の人は、安心して一つの会社とで働き続けるようになったとか、仕事が見つけやすくなったとか、非正規雇用なのに働き先の待遇がよくなったとか、職場の自分に対する扱いが変わったとか、そういう変化の「実感」が有れば「評価」に加えればいい。
学生のあなた
学生の人も立派な有権者。大学卒業間近になればもう選挙権もある立派な社会人。だから、学生の人の「実感」も大事。苦学生はいつの世もいる。そういう人が、周りに増えたか減ったか。就職の壁が厚いと感じるか。学生が社会活動でいきいきしていると感じるかなど。そういう「実感」が有れば、「評価」すればいい。
活動家のあなた
私は"元"活動家でもあるから、社会活動している人たちの立場も気になる。活動がしやすくなったか。助成金が得られやすくなったか。活動の制約が減ったか。周囲の理解が増したか、等。安心して活動できる裾野が広がったかどうかを「評価」すればいい。
クリエイティブなあなた
クリエイティブな職業に就く人だって、仕事がしやすくなったか、しづらくなったか。表現に制約が増えたか、減ったか。自分の分野で周囲で仕事が減ったか増えたか等の「実感」が有れば、それを「評価」すればいい。
医療に従事するあなた
医療に従事する人は、ともすれば組織票に縛られるのかもしれないけど、看護師や看護婦、医師、病院事務をやってる人だって、保険の適用の在り方や、補充人員に対する体制、仕事のしやすさ、気楽さなどの面での「変化」を「実感」していれば、それを「評価」に反映すればいい。
飲食に関わるあなた
飲食業を営んだり飲食に携わる人は、間近で人の消費傾向を見るだろうし、食材の価格や、市場の動向、その人件費への影響、ひいては職場での待遇やモラルなどに何か「実感」を感じるところはあるだろう。それを「評価」すればいい。
サービスに関わるあなた
飲食といえばサービス業だけど、ではホテルや旅行業者、旅館経営者とかが実感する「お客様の財布の紐のゆるみ具合」はどうかとか、大盤振る舞いする客が増えたとか(同時に金に物を言わせる横暴な客も増えたとか)、景気に敏感な業界ならでのは「実感」が有るだろう。それを「評価」すればいい。
たったこれだけの例で全部を網羅できたわけではないけど、このようにそれぞれの立場に応じて「実感」も十人十色になるのは当然。それが多様かつ「総合的な評価」としての民意を投票数ではっきり形にする。これが「国民都合」、もっといえば「手前都合」の選挙だと思えばいい。そして、それでいいのだ。
一言で括れないあなた(私)
この選挙では、まさに国民が一丸となって十人十色を出し合えばいい。その色が混然となったのが、いまの「この国の色」なのだから。私は自身の様々な立場から自分の「色」を投票という代替行動によって出す。皆さんも様々な立場から、この選挙の争点といわれるアベノミクスに自分なりの「評価」をして、「色」を出せばいい。
私は派遣社員であり、翻訳通訳者であり、コンサルタントであり、NGO役員であり、元議員秘書であり、現状のこの国で子孫を増やしたくない立場から、アベノミクスに象徴される政府の血の通わない政策に対7する等身大の総合評価として、この選挙で明確な『NO』を突きつける。
あなたはどうしますか?
自分の「色」を出しましょう。