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最近、友人にウォレス・グレッグソン米国防次官補(アジア大平洋担当)のコメントを紹介された。残念ながら、PDFへのリンクを貼る等という高等技術は私のPCスキルをはるかに越えている。
グレッグソン次官補の証言は、この7月27日付けのサイトに公開されている。
一番の問題となるポイントは、グレッグソン次官補の証言の最後の部分にある。日本が在日米軍駐留経費(HNS)を減らす可能性について述べている部分だが、次官補はここで、HNSを減らすことは、「域内の友好国と潜在敵国の両方に対し、日本が自国の防衛に対するコミットメントを真剣に考慮していないという誤ったメッセージを送ることになる」と述べている。
この問題を紹介した私の日本の友人は、米政府高官によるこうした発言は、日本の独立国としての主権を尊重していないと感じたというが、私は友人は正しいと思う。あまりにも多くのアメリカ人が、世界はアメリカ中心に周っていると考えている。アメリカが決めることが、世界の国々にとって一番良いことであると信じ込んでいる。
最近、雑誌ニューズウィークで読んだこの記事は、日本の防衛に対するアメリカ人の一般的な考え方を示していると思った。
この記事の中で、ハリス氏は日本はもっと海外での活動に参加するべきであり、その活動を行えるよう憲法を改正すべきと提言している。記事にはハッキリ示されていないが、アメリカ人なら誰もがここで暗黙の了解とするのは、このような活動は米軍傘下で行われるべきという認識だ。
米軍は肥大化の一途を辿っており、その存在意義をほとんど失ったひじょうに高コストな軍隊である。これが事実だ。たとえば、現在アメリカには3,100に及ぶ情報機関が存在し、22の空母艦隊を保有する。
これだけ多くの情報機関やスパイ、艦隊を保有するのだから、アメリカが絶えず神経を尖らせなければならない敵も数多くいるのだろうと、読者の皆さんは思うかも知れない。
が、事実は異なる。
アフガンには、アルカイダは100人いるという。
ある情報では、アルカイダはパキスタンに300人いるともいわれている。
正直に言おう。その他に、アメリカの“敵”と考えられる国や組織はいないと思う。アメリカの、強大でひじょうにお金のかかる軍事組織は、“亡霊”と戦っているのである。
また、ウォール街の連中の“金融ゲーム”のおかげで、アメリカは破産寸前だし、経済は破綻ししつつあり、失業者は増え続け、必死になっている。だから、日本にもっとカネを出せという。
存在しない“敵”と戦うために。
影響力を持つアメリカ人は未だにイランとの戦争を起こすことを望んでいる。日本はイランと関係が深い。それでもなお、アメリカがイランを攻撃したら、日本はこれに追従するのだろうか?
イランが核兵器を製造しているという証拠はない。イランに戦争を仕掛ける理由はない。しかし、多くのアメリカ人がそのような戦争を起こしたがっている。アメリカは狂ってしまったのかもしれない。
アメリカは徐々に、日本にお金以上のものを要求するようになるだろう。米兵と一緒に部隊を戦場に送り、米軍指揮下で行動するよう求めるだろう。
アメリカ人は、異論を唱えずに常にアメリカの望み通りになった自民党の政治かに慣れきってしまっている。はっきり言って、民主党の新政権にどう適応していいのか分からないのだろう。
日本は、アメリカとの同盟関係についてもっと慎重に考えたほうがいい。アジアの局所防衛について神経をすり減らすのと、アメリカの本音である世界で展開する戦争に関わることは別問題だ。たとえば、中東のイランと戦うことが日本の国益に適っているのかどうか。よく考えたほうがいい。
具体的なステップとしては、在日米軍として将校クラスの幹部団のみを駐留させるのが賢明かもしれない。このような取り極めにすれば、本隊とその家族はアメリカに返すことができる。そうすれば、各部隊の一割以下の要員が日本に残ることになる。この幹部団で有事の際の基地管理を行い、基地面積は大幅に削減される。
アジアで有事が発生したとき、その場合は米軍は全戦力を派遣すればいい。このようなやり方の方が、アジアの現実を的確に反映している。北朝鮮は本格的な脅迫足り得ないし、最近の中国の挑発は、単なるお芝居である。中国は総力戦を望んではいない。いずれにせよ、日本領土への侵攻を目論むいかなる国に対しても、日本の自衛隊単独で十分対処が可能である。
アメリカ人は常に、世界中のどこでも戦争の可能性を考える。軍事に訴えずに外交を行う能力を失ってしまったのだと思う。[世界にとって]危険な国は、むしろアメリカの方である。
アメリカ人の多くはアメリカが展開する軍事帝国を快く思っていない。アメリカはそろそろ、その軍の大半を解体して、母国のアメリカ人の生活をよくすることを考えなければならない。
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