息子グレゴリーとのiPhone使用誓約書
2012/12/25
グレゴリーへ
メリー・クリスマス!
あなたもついに、iPhoneオーナーの仲間入りです!やったね!
あなたは責任感のあるお利口な13歳。この贈り物を受け取るのにふさわしい子です。
ただし、この贈り物を受け取るからには、守らなければならないルールや規則があります。
以下の条件をしっかり読んで、守ってください。
私には母として、あなたを道理をわきまえた、健全な若者に育てる義務があります。
それは、テクノロジーに支配されるのではなく、テクノロジーと共存できる人間にするということ。
以下の条件を守れなかった場合、あなたはiPhoneの所有権を失います。
大好きな大好きなあなたと何百万件ものSMSをやりとりするのを楽しみにしています。
- これは私のiPhoneであり、私が買ったもの。私が代金を払うものです。それを私はあなたに貸しているのだということを忘れないこと。感謝を忘れないでね。
- パスワードは必ず私に教えること。
- 端末が鳴ったら必ず出ること。これは「電話」です。なので、マナーをわきまえて、きちんと「もしもし」と言いましょう。たとえ発信者が「ママ」や「パパ」であっても、決して無視しないで、必ず出ること。
- 学校のある日は、午後7:30きっかりに、週末は午後9:00きっかりに、どちらかの親に端末を返すこと。端末は次の朝の7:30まで電源OFFになります。相手が固定電話しかなく、相手の親が先に電話に出る可能性がある場合は電話はせず、SMS(※訳注)も送らないこと。自分の直感を信じて、相手を思いやる気持ちを忘れないように。
- 学校には持っていかないこと。SMSをする相手とは、直接話をしなさい。人生のスキルを磨きましょう。※半日登校日や修学旅行、部活の場合は、別途検討します。
- 万が一、端末を トイレに落としてしまったり、床に叩きつけてしまったり、紛失したりした場合、修理費や購入費は自己負担すること。芝刈りをしたり、ベビーシッターをしたり、貯金をためたりすることで、自分で対応しなさい。必ず起こり得ることなので、きちんと備えること。
- iPhoneのテクノロジーを使って、人に嘘をついたり、馬鹿にしたり、だましたりしないこと。
人を傷つけるような会話には加わらないで、人のためになることを第一に考えなさい。なるべく問題に巻き込まれないようにしてください。 - 人に面と向かって言えないようなことを、この端末を通じてSMSしたり、メールしたり、発信しないこと。
- 相手の親が目の前にいたら絶対に言えないことを、この端末を通じてSMSしたり、メールしたり、発信しないこと。自制の心を働かせましょう。
- ポルノは禁止。Webでは私とシェアできるような情報を検索するようにしてください。何が疑問があれば、誰か(できれば、ママかパパ)に訊くこと。
- 公共の場では、電源を切るか、マナーモードにすること。とくにレストランや映画館、あるいは人と話しているときはなおさらです。あなたは決して失礼をしない子です。iPhoneがそれを変えるようなことがあってはダメ。
- あなたの大事な所の写真を送ったり、誰かの大事な所の写真を受け取ったりしないこと。そこ、笑わない。あなたがどんなに賢い子でも、いつかその誘惑にかられる時期がきます。これはとてもリスクのある行為で、あなたの青春時代、学生時代、そして社会人としての生活を壊してしまう可能性があります。絶対によくない選択なのです。インターネットはあなたよりはるかに広大で強大。こういった深刻なものを消し去るのは容易なことではないし、まして風評ならなおさらです。
- 写真や動画を撮りまくらないこと。何もかもを記録する必要なんて、ありません。色々な経験を自分自身で感じてください。その記憶は永遠にあなたの中に残るでしょう。
- ときには、iPhoneを家に置いてでかけること。そして、その判断に自信を持つこと。これは生き物ではないし、あなたの一部でもありません。これなしでも生活できるようにしてください。FOMO(fear of missing out:自分が取り残される不安)よりも大きく、強い人間でいてください。
- あなたの友達全員が聴くような音楽ばかりではなく、新しい音楽や古い音楽もダウンロードすること。あなたの世代は、人類史上かつてないほど多くの音楽にアクセスできるのよ。このメリットを存分に生かして、あなたの視野を広げてください。
- ときには、ワードゲームやパズルなどの頭脳ゲームで遊ぶこと。
- 上を向いて歩くこと。自分の周りの世界で何が起きているのかをよく見て歩いてください。窓から外を覗いてみてください。鳥のさえずりに耳を傾けてください。散歩してください。知らない人に話しかけてみてください。グーグル検索せずに、外の世界に飛び出してみてください。
- たぶん、あなたは失敗します。その時には、この端末をあなたから奪うことになります。でも、その時は一緒に話し合いましょう。また一から始めましょう。私もあなたも、いつも互いに何かを学び合っています。私はあなたのチームメイト。だから、一緒に考えていきましょう。
あなたがこれらの条件に同意してくれることを願っています。これらの条件のほとんどは、iPhoneの使い方ではなく、人生をうまく生きていくための条件といえるものなのだから。あなたは、めまぐるしく変わり続ける世界に生きています。それは、とてもエキサイティングで魅惑的な経験だと思う。だからこそ、なるべくシンプルに生きてほしい。どんな機械やガジェットよりも、あなたの強い意思の力と大きな心が勝るのだということを忘れないで。
あなたが大好きです。
素晴らしいあなたのiPhoneの世界を楽しんでね。
メリー・クリスマス!
沢山のキスを込めて
ママより
※訳注:SMS=ショート・メッセージ・サービスの略。日本でいう「Cメール」(au)や「ショートメール」(ドコモ)などのことだが、最近のスマホでは電話番号だけでSMSも送れるようになっているものが多い。英語では通常「テキストする(texting)」という。
新しいガジェットでママと一緒にあそぶグレゴリー君 (写真:Good Morning America) |
Original Text by: Janell Burley Hofmann
Original Translation by: Akira Uchimura
New Translation by: Office BALÉS
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Comments: BLOGOS
※一部読者から指摘を受け、翻訳に漏れがあることがわかり
翻訳を修正しました(赤字箇所)。ご指摘ありがとうございました。
3 件のコメント:
はじめまして。
アメリカで日本語と翻訳を教えています。授業でこの話題を取り扱ったので、こちらの翻訳を「良い例」として使わせていただきました。
ところで、「"I pay for it" 月々の支払は私がしています」の部分がないのは、意図的なのでしょうか。ちょっと気になったので。
もっちりさん、コメントありがとうございました。
授業で使って頂いたとのこと光栄です。
ご指摘の部分は単純な訳抜けでした。
他の方からも指摘され適宜修正した次第です。
コメントを返すのが遅れ失礼しました。
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