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2013/10/25

《コメント》日本の「セックスしない症候群」をBBCが特集(対日本語ハフポス)完全版

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日本の「セックスしない症候群」をBBCが特集(ハフィントンポスト)2013年10月24日 15時15分 JST


事実から組み立てていくと,まず数値に表れているのは少子化は進んでいるという事実。この世銀の世界開発指標によると,「出生率」は2005年から上昇傾向にあるが。とはいっても,過去6年の間でやっと,おおよそ1998年頃の水準に達した程度。




今年6月に厚労省が発表したところでは,「合計特殊出生率」(1人の女性が生涯に産むとされる子供の数)は1996年以来16年降りの回復とのこと。一方で「出生数」(の上昇率)は過去最低となっているそうだ。その理由が,①子どもができない夫婦が増えたのか,②子どもを作らない夫婦が増えたのか,③セックスレスな夫婦が増えたのかは,これは総務省の統計でもみないと実態を把握できない。

最新の統計が示す事実

ところが関連記事に丁度良い統計があった。
コンドーム大手の相模ゴムが今年2013年1月に行った『ニッポンのセックス』統計だ。



ハフポスの関連記事である「セックスレスと感じる既婚者 ほぼ半数に 40~50代の男性では6割超」という記事によれば,「セックスが少ないと感じる人のうち、「もっとしたい」と答えたのは男性75・2%に対し、女性35・8%




回数が少ない理由は男女共に「相手がその気になってくれない(平均40.3%)」がもっとも多い」とのこと。また20代・30代女性に関しては「仕事や家事が忙しくて時間がない・疲れている・子どもや家族がいて機会が少ない」という理由が多かった。」らしい。



つまり,少子化に繋がる夫婦の性の問題は,大体上記の3つの要因に絞られるが,さらにこの最新の統計によると③「セックスレスな夫婦が増えた」に絞られることがわかる。少子化と直接因果関係のない未婚カップルのセックスレスについては,セックスは合意によって成り立つものだから男性のみに原因があるとされるのも本来はおかしい話だ。

ただ,近年女性の性が解放されてきたとはいえ,やはり日本女性は文化的にそこまで性に積極的になれないところがあると思う。そこで問われるのが男性側の積極性であり,そこに海外のメディアは「バーチャル彼女」の問題を当て込んできたわけだ。でも,この問題は「オタク人口」の統計をとれば解決してしまう話だ(どうやってとるのか知らんが)。

オタク男子が問題なのか?

また,オタクをステレオタイプ化したくはないのだが,全体の人口に比するオタク人口と,その層が一般的に女性にとってどれほど性の対象として魅力的であるかという,ごく一般的な疑問をぶつけると,「オタクがバーチャル彼女好きで社会に何の損失があるという結論にも行き着く。この記事では既婚でバーチャルな彼女のいる男性も取り上げているが,そうした男性がオタク人口の全体のどの位の割合を占めるのか,という肝心のデータが不足している。

世に一般的に「オタク」といわれる男性が,そもそも未婚で,そもそも女性にとって魅力的な性の対象ではないならば,彼らが「リアルなセックスよりもバーチャル彼女を好む」傾向があることは,少子化問題の根本要因にはなり得ない。

結論

問題は,真に少子化の要因である夫婦の性の問題。そこにメスを入れなくては。それで初めて,結婚率の低下の問題や,その要因の一部である「セックスや結婚よりも仕事に関心を持つ女性」vs.「セックスに消極的で主体性のない草食系男子」の問題に切り込むことができるといえる。

第一に夫婦の性の問題。第二に結婚率の低下の問題。そして,最後に,その要因の一部と見られる「セックスや結婚に関心のない未婚女性」の問題に行き着く。勿論,そうした仕事を優先する,あるいは兼業を選ぶ選択肢のない女性に対するセーフティネットの整備というのも,重要な政策課題ではあるが,それが目前にある直接の要因である「夫婦の性」の問題を解決するわけではない。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

女性がセックスや結婚よりも仕事に関心を持つとありますが、子どもつくったあとの大変さを実際に見ている女性は、当然ではないでしょうか。それこそそういうところにメスを入れてほしい。
夫の協力には限界がありますし、あって当然、それは大変の女性ならわかっています。たとえば子どもが病気になったらそばにいてほしいのは大半がお母さんのはず。病気の子どもを見てくれる実家などがなければ、女性がいまだに日本社会で働き続けることは無理。そんなこと昔っから言われていることでしょうと、ため息さえつきたくなります。ちなみに男が草食系であるということも少子化の理由だそうですが、男が草食であるわけがないでしょう、天然ぼけの女がいるわけがないのとおなじです。日本はいまだに自分たちに都合のよいおとぎ話によっているだけです。

Étranger さんのコメント...

コメントありがとうございます。草食系を少子化の理由ではないかと,疑問を投げかけているのは英国BBCの番組であり日本ではありません。しかし,それも番組のごく一部であるということが,実際に番組を通しで見てみてわかりました。

女性を支える社会インフラや企業文化,社会そのものが未発達であることは,ご指摘の通り,昔からわかりきっていることです。しかし,ではそれがあれば本当に女性は積極的に結婚し,子どもを産むのかというと,これにも疑問符が付きます。環境が整えばよい。それだけの問題なのでしょうか。

男性の草食化というのは,結婚したい魅力的な男性が少ないこととも同義になると思います。そうしたら,仮に環境があったとしても,1人で気楽にキャリアアップしていくことを多くの女性が選択するのではないでしょうか。女性が「結婚しないかもしれない症候群」に陥っている理油は,単に周辺環境の問題だけでもなく,やはり魅力的なパートナーがいない,見つからない,見つけられないということにも起因するのだと思います。

どちらが一つが原因ということではありませんが,複合的に複雑に,女性の結婚に対する心理に影響しているのではないでしょうか。だからこそ,この問題は根が深いのだと私は思います。