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2014/09/10

衝撃レポート:「トモダチ作戦」に参加した米空母ロナルド・レーガンが深刻に被曝していたことを米海軍は知っていた(※PCモード推奨)

はじめに


米原子力空母 #ロナルド・レーガンの乗組員らの高線量被曝に関するGlobal Research研のこの2014年2月付の記事の元となったのは、同月電子政治科学ジャーナル紙Japan Focusに掲載された1つの論文だった。


JapanFocus論文は、主に米情報公開法(FOIA)に基づく米政府の公式資料をベースに構成されており、そこに記載された米海軍の通信記録から、米エネルギー省のポネマン副長官が自らが日本政府や東電の情報を疑い独自に情報収集していたことがうががえる。 http://t.co/B8D9Y8ztF7


この「通信記録」というのは、実は、米原子力規制委員会NRCの2011年3月13日付けの電話会議録の抜粋である。つまり、この時点で米国政府は、日本側の情報を信頼せずに独自に軍を使って情報収集を行っていた。テレ朝『ザ・スクープ』が報じた通りである。 http://t.co/LGZIwY0DDz


今回の2014年2月付のJapanFocus論文の発見は周回遅れだったが、これまで断片的にメディアで報じられたり専門家の分析で語られていたことが、ほぼ事実に間違いないことが確認された。現在、放射線疾患を発病した米兵らが東電を相手取り集団訴訟を起こしている背景が初めて明らかになったといえるだろう。


今回の事実の発覚で明らかになったのは、福島原発でメルトダウンと爆発が起きていた時、その周辺には4Svというとてつもなく高い線量の放射線が放出されており、その場にいた人間は全て高線量被曝したという事実だ。これは米軍だけではなく、自衛隊も、原発作業者も例外ではない。


事故後の中途半端な反省から生まれた原子力規制体制下にある今こそ、「福島の真実」を求め、事実の洗い直しが必要である。このレポートがその一助となることを願い全訳掲載する。



衝撃レポート:「トモダチ作戦」に参加した米空母ロナルド・レーガンが深刻に被曝していたことを米海軍は知っていた


2014年2月26日 12:05 am

著:Harvey Wasserman 訳:Office BALÉS (原文※リンク類は後日修正します。
衝撃的なレポートである。米海軍原子力空母『ロナルド・レーガン』の乗組員らが、約3年前、福島原発事故によるメルトダウンと爆発の前後に深刻な被曝をしていたというのである。 
もしこれが事実なら、乗組員らが東京電力を相手取って起こした 10億ドルに及ぶ巨額訴訟 の背景に新たな光を照らすものとなる。乗組員の多くはすでに、深刻な健康被害を被っているが 、東電と海軍の妨害工作を受けているからだ。
『ロナルド・レーガン』は2011年3月11日に発生した震災と津波の被災者救援のため数隻の艦艇とともに、『オペレーション・トモダチ』に参加していた。現場の証拠写真や個人証言から、同艦は2011年3月12日の時点で、福島第一原発から 約3.2キロ以内の沖合に展開していたことが確認された。丁度、原子炉がメルトダウンし爆発が始まっていた頃である。
吹雪の中、甲板の乗組員らは、金属的な味覚を伴う暖かい雲(プルーム)に覆われた。乗組員らの証言によると、船内アナウンスにより、5,500人の全乗組員に対して、脱塩処理された海水の摂取及び入浴が禁じられた訳注1: 巨大な軍艦では逆浸透膜濾過装置などで海水を淡水化して利用している)。巨大空母はその後、人道支援活動を直ちに中断し、さらに約160キロ外洋に移動した。新たに公開された海軍内の通信記録によると、この時艦艇は依然として高濃度の放射性降下物により被曝していた。
『ロナルド・レーガン』及び他の艦艇の乗組員らの多くは現在、太平洋やネバダ砂漠での原爆実験やスリーマイル島、チェルノブイリで風下に立った人々が経験したものを思い起こさせる多くの症例を訴えている。広島に原爆を投下した操縦士や、さらにはスリーマイル島の風下に位置するペンシルバニア中部の住民も、これに似た感覚(金属的な味覚)を 経験 したと証言している。原爆実験の対象となった南太平洋の環礁一帯は、60年が経った今も人の住めない場所となっている。
連邦集団訴訟を起こした81名の原告の中には、作戦着任前から妊娠していた者もいた。その女性の赤ん坊"ベイビーA.G."は10月に複数の遺伝子異常を持って生まれた。
東電や海軍は公式には、被曝線量は安全なレベルであったとしている。
しかし東京で活動するアメリカ人学者が入手した米海軍の通信記録は、海軍高官らは『ロナルド・レーガン』が深刻に被曝しているた事を把握していたという衝撃の事実を裏付けた。Japan Focus誌に掲載された論文 「Mobilizing Nuclear Bias(邦題「核に纏わる疑念を動員」)」で著者のカイル・クリーブランド(Kyle Cleveland)氏は、福島が深刻な事態に陥っていく中で日米両政府の間で行われたやりとりの様子を克明に描き出した。
この中でCunningham氏訳注2:唐突な登場だが論文著者のKyle Clevelandのことだと思われる)は、米情報公開法に基づき得た海軍高官同士の通信記録から、160キロ離れた沖合にいても、『ロナルド・レーガン』の被曝線量は 「通常、海上で検出される自然放射線に比較してもその30倍であったことが読み取れる」としている。
空母船内については、②「船内の警戒モニターは全て同じ数値を示し、船外については 「携帯測定器を持って甲板のフライトデッキで計測した時も同じ数値が得られた」 という通信記録が残されている。
放射性降下物の深い痕跡は、救援ミッションから帰還するヘリ部隊にも明らかに残されていた。Japan Focusの論文では、1人の匿名の米政府関係の専門家がこう述べたと書かれている。
③「100メートル離れた場所で(ヘリからは)毎時4Svが計測された。これは天文学的な数値である。私のような習熟した人間にとってこの数値が意味することは、炉心の水は既に蒸発していてメルトダウンがいま起きており、放射能の流出を防ぐ手立てが一切なくなっているということである。即ちこれは純然な、剥き出しの数値なのである」 ―2012年9月17日に行われた極秘通信内容より(訳注3:この値は2011年3月16日時点で、福島第一原発から100メートルの距離を偵察飛行中のヘリが計測したものである。)
③At 100 meters away it (the helicopter) was reading 4 sieverts per hour. That is an astronomical number and it told me, what that number means to me, a trained person, is there is no water on the reactor cores and they are just melting down, there is nothing containing the release of radioactivity. It is an unmitigated, unshielded number. (Confidential communication, September 17, 2012).11
この通信にはさらに続きがある。
④「約10時間以内に、甲状腺の問題が起きる」というのである。
In transcribed telephone conversations between U.S. based federal government officials, nuclear authorities, U.S. embassy officials in Tokyo and military staff in the Pacific Command (PACOM) made available through the Freedom of Information Act (FOIA), the U.S. government response to the nuclear crisis can be seen in real-time as it played out over the course of the first month of the crisis:
ADMIRAL DONALD: (...) Earlier this evening, as the USS Ronald Reagan was operating off the coast of Japan, we - the ship just arrived. We had given the ship some guidance as far as positioning was concerned to stay clear of the area of the potential plume, basically told her to stay 50 miles outside of the radius of the -- 100 miles -- excuse me -- 50 miles radius outside of the plant and then 100 miles along the plume with a vector of 45 degrees. The ship was adhering to that requirement and detected some activity about two and a half times above normal airborne activity using on-board sensors on the aircraft carriers. So that indicated that they had found the plume and it was probably more significant than what we had originally thought. The second thing that has happened is we have had some helicopters conducting operations from the aircraft carrier and one of the helicopters came back from having stopped on board the Japanese command ship in the area, and people who had been on -- were on the helicopter who had walked on the deck of the ship, were monitored and had elevated counts on their feet, 2500 counts per minute. But I wanted to get you guys on the line and my expert on the line so we can get the data and then the proper people notified.
MR. PONEMAN: Okay, I have a couple of questions. Number one, in terms of the level of radiation that you are picking up, what's the delta between that and any information we have from the Japanese or other sources of what the level of radiation would be, given the venting and so forth that we know has occurred?
MR. MUELLER: So -- this is Mueller -- the sample that was taken and then what we detected, we were 100 nautical miles away and it's -- in our terms it's -- ①compared to just normal background it's about 30 times what you would detect just on a normal air sample out at sea. And so we thought -- we thought based on what we had heard on the reactors that we wouldn't detect that level even at 25 miles. So it's much greater than what we had thought. We didn't think we would detect anything at 100 miles.
MR.. PONEMAN: You didn't think you'd detect anything at 100 miles. Okay, and then in terms of the regulations and so forth of people operating in these kinds of areas, I forget some you know, acronym for it, PAG (Protective Action Guidelines) or something, how do the levels detected compare with what is permissible?
MR. MUELLER: If it were a member of the general public, it would take -- well, it would take about 10 hours to reach a limit, a PAG limit.
MUELLER: Right. For a member of the public.
PONEMAN: Right. You mean, at the level you detected?
MR. MUELLER: Yes sir. ④But 10 hours, it's a thyroid dose issue.
MR. PONEMAN: Okay, but the net of all this is that the amount of release that is detected by these two episodes whatever you would call them, is significantly higher than anything you would have expected what you have been reading from all sources?
MR. MUELLER: Yes sir. The number specific number we detected was 2.5 the times 10 to the 88 minus nine microcuries per milliliter, airborne, and that's particulate airborne. It is -- we did not take radioiodide samples so I don't know that value, but this is particulate airborne...
MR. PONEMAN: Tell me again exactly how you picked up these two forms of samples.
MR. MUELLER: We have automatic detectors in the plant that picked up -- picked up the airborne, ②and all of our continuous monitors alarmed at the same level, at this value. And then we took portable air samples on the flight desk and got the same value.
ADMIRAL DONALD: These are normally running continuous detectors, continuous monitors that run in the engine room all the time, monitoring our equipment.
MR. PONEMAN: These are detectors on the Reagan?
ADMIRAL DONALD: On the Ronald Reagan, correct.
MR. MUELLER: Yes sir.
MR. PONEMAN: On the Ronald Reagan. They are there because you have got equipment there that you know, it could emit stuff and while you were there, you picked up stuff that was ambient which indicated that you actually were in the plume?
MR. MUELLER: That's correct.
MR. PONEMAN: And this was -- this was 30 times higher than what you would have expected?
MR. MUELLER: Yes sir.
東電も海軍も、『ロナルド・レーガン』は深く懸念するほどの高い線量を被ばくした訳ではないと主張する。 しかし日本も、韓国も、グアムも、線量が高すぎるとして 同艦の寄港を拒否している。 国防総省の写真素材からは、乗組員ら総出で甲板を除染している姿を克明に映し出している。


2011年3月22日、『オペレショーン・トモダチ』の人道支援任務のため日本近海に展開中の米艦艇
『ロナルド・レーガン』のフライトデッキで除染作業に勤しむの乗組員ら(写真提供:国防総省)
43億ドルの巨費を投じて建造されたこの巨大空母はいまサンディエゴに帰港しているが、評論家はそもそも帰港してよいのかどうかすら疑問だとしている。1946年から1963年の間に行われた太平洋での原爆実験で被曝した米艦艇を除染する作業は殆ど無意味だったことが現代では判っている。数百名にも及ぶ乗組員が高線量の放射線に被曝し、幾つかの艦艇は自沈させるほかなかった
福島原発事故現場での放射能汚染水の漏れ出し も、悪化の一途を辿っている。 これまで否定し続けてきた東電も、最近になってようやく、一部の放射能漏れを 500%以上の割合で"甘く推定していた"と認めている。また最新の報道によれば、福島のシグネチャであるセシウム137を含む放射性物質が米西海岸で検出されている。
放射能汚染水問題や、使用済み核燃料棒の撤去作業、消失した3つの炉心の捜索、現場における組織犯罪の暗躍など。福島を巡る世界の心配ごとは増える一方である。また情報の流れは、安倍政権が、 福島で何が実際に起きているかを公表すると重罪に課せられる可能性を孕む「秘密保護法」を制定したことによりますます不透明となった。
しかし、もし最新の証拠が事実であるならば、海軍は『ロナルド・レーガン』が高濃度の放射線下降物に激しく曝されていたことを把握しており、これまで仮説でしかなかったことがより鮮明に悪意を孕む事実であったことを意味する。
ショックを受けた乗組員らは海軍で訴訟を起こすこともできず、東電に対する訴訟も数々の国際法上の課題に直面する。
ただし一つだけ、確実なことがある。それは、国際社会はおよそ福島の全貌とはかけはなれた事実しか知らされていないということだ。
このトピックに関してさらに知りたい場合は、EcoWatchの NUCLEAR サイトを参照してください。
Harvey Wassermanは、 www.nukefree.orgの編集者のひとり。同サイトは、日本の「秘密保護法」の廃止を呼び掛け、福島に対する国際介入の必要性を訴える請願キャンペーンを展開している。著書に『SOLARTOPIA!』『Our Green-Powered Earth』等。

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