Japanese march against nuclear power
原発反対を掲げ行進する日本の人々
放送日:2011年9月19日
番組名: 豪ABC、LATELINE
キャスター:Ali Moore(アリ・ムーア)
レポーター:Mark Willacy(マーク・ウィラシー)
フクシマ原発のメルトダウンが起きてから半年。
約6万人が街に繰り出すという最大規模の反原発デモが東京で行われた。
ムーア・キャスター: フクシマ原発のメルトダウンが起きてから半年。約6万人が街に繰り出すという最大規模の反原発デモが東京で行われました。新しい首相が依然として原子力が必要であることを示唆する中で、デモに参加した人々は日本政府に対し「原発依存体制」に終止符を打つことを訴え続けました。
そしてつい先日、前首相の管氏は、メルトダウンの直後に、東京やその周辺地域から3,000万人を避難させることを検討していたことを明らかにしました。
北アジア担当特派員のマーク・ウィラシーが東京からレポートします。
ウィラシー記者: 日本の反原発デモで、警官よりもデモ参加者の数が多いというのは、きわめて珍しいことです。デモ主催者側は、5万人の参加を見込んでいましたが、実際は、実に6万人がこのデモに参加したとのこと。福島も含め日本中から参加者が集まりました。
福島在住のコグレトシカズさん: このデモは日本国民の総意を表明するものです。私たちが言いたいのは、日本に原発は必要ないということ。再生可能なエネルギーに転換すべきなのです。
ウィラシー記者: デモには、ファッション・デザイナーやホームレス協会、芸能人、会社員、主婦らが参加し、彼らの演説に涙する人々も多く見受けられました。
デモ参加者のキミガキケイコさん: 福島の原発災害はすべての日本人を不安に陥れました。新しいエネルギー資源を活用して原発依存をなくさなければなりません。だから、6万人もの人々がここに集まったのです。
ウィラシー記者: 公園の中で抗議の声をあげ、その主張を唱えたあと、デモの参加者らは東京の街に繰り出しました。その数は増え続け、彼らの行進はいくつかの区をまたがる範囲にまで膨れ上がりました。
これだけの規模のデモが起こるまでに半年の期間を要しましたが、日本の反原発ムーヴメントは遂に一定のモメンタム(勢い)を得たようです。このデモは、フクシマのメルトダウンが起きてから最大規模のものとなりました。新首相が原発の維持を示唆するなか、このムーヴメントが抱える課題は、今後いかにしてこのモメンタムを維持するかにあります。
実際、今週予定されている国連総会の場で野田佳彦新首相は、少なくとも当面の間、日本経済が引き続き原子力に依存せざるを得ない状況にあることを表明する予定です。
彼の前任者はの管直人氏は、段階的な依存解消を望んでいました。
総理の重責から解放され、災害時の首相だった管氏は当時、メルトダウンの直後、最悪のシナリオとして、東京やその周辺地域から3,000万人を避難させることを検討していたことを明らかにしました。最終的に、そういう結果にはならなかったものの、もし仮にそうなっていたら、日本は国家として機能できなくなっていただろうと、管氏は振り返ります。
しかし、何万人もの人々が声をあげて政府の政策や原発企業の方針に異を唱えることができるのであれば、日本は国家として十分に機能しているといえるのではないでしょうか。
(了)
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