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2013/09/03

《緊急和訳》シリア情勢に関する声明 - 国際危機グループ(ICG) 2013.09.01

シリア情勢に関する声明 - 国際危機グループ(ICG)

Syria Statement - International Crisis Group

ブリュッセル  |   2013年9月1日
米連邦議会が承認するという想定の上、米国政府は(幾つかの同盟国とともに)シリア体制側の目標に対する軍事攻撃をまもなく開始すると思われる。仮にそうなった場合、米国はシリア市民の利益からかけ離れた理由により行動したこととなる。

オバマ政権は、化学兵器の使用を予防、抑制し、処罰する必要性を説いてきた。これは擁護可能な目標ではあるが、これまでの紛争の中でシリア市民はより凄惨な残虐行為の被害に遭ってきている。しかし、彼らを守るための集団的行動はほとんど取られてこなかった。
米国政府はまた、化学兵器の使用を「レッドライン」としたオバマ大統領の方針に従い、米国の信頼性を守るために(攻撃の)必要性を説く。これも理解可能な目標ではあるが、シリア市民の共感は得難いであろう。残虐さを批難したり、抑止力を発揮したり、米国の信頼を回復したりすることよりも、何よりも先ず、シリア市民の福祉が最優先の目的とされなければならない。この目的は、軍事攻撃が発令されるか否かによらず、持続する停戦合意を通じた政権移行という、広く支持される方法によってしか達成し得ない。  
それがいかに規模が限定され緻密に計算されたものであったとしても、米軍による軍事攻撃は、それを事前に正しく推し量ってみれば、基本的には徒労にしかなり得ない。
紛争が凄惨かつよく見られる最悪の方向へと推移しているとき、そしてそれがまさに沸騰点に達しようとしている地域で起きるとき、そこには必然的に、強力な不可測要素が生じる。すなわちのその結果は、まったく予測がつかないものとなる。それでも、それ(米軍の攻撃)が何をもたらすか、あるいはもたらさないかについては、幾つかの予想を立てることはできる。
  • 軍事攻撃は決して、最低限の国際コンセンサスすら得ることも、また作ることもできないであろう。その意味では、どんなに必須であっても、体制側による化学兵器使用の確固たる証拠を見つけようとすること自体が不毛な試みといえる。2003年のイラク侵攻の前提となった偽りの事実、そしてそれ以降、国際社会で進んだ多極化、そこへさらにシリア紛争の力学が加わると、米国が証拠とするものは米国に不信を抱く者を説得するには不十分であり、また疑いの目は広範囲なものとなるであろう。
  • たしかに、常習的に犯行が行われた場合にはより激しい処罰が待っていると思わせることで、将来の化学兵器使用を抑える効果はあるかもしれない。これ自体は、十分に成果といえるのであろう。しかし体制側がその生存をかけて戦っているのだとしたら、このような考察もあまり価値を持たないであろう。また反対勢力も類似の兵器を使用する誘惑に駆られ、正に米国の介入を促すその目的のために、実際に使用した場合にそれを体制側の責任とするかもしれない。
  • そうなれば、体制側が反政府勢力や反政府勢力の勢力圏に対し報復を行い、また反政府勢力も、時に乗じようとして策動することで、暴力がよりエスカレートしてしまうかもしれない。  
  • 体制側やイラン又はヒズボラ等の、おそらくイスラエルに対する報復により、地域的又は国際的に紛争がエスカレートする可能性は、無いとは言えないが、リスクが高すぎるためその蓋然性は低い。ただし、これは(米軍の)攻撃の規模にもよる。
  • 体制の転覆を目的としない軍事行動(米国によれば)は、現場のすう勢にすら中長期的な影響を及ぼすことはないかもしれない。体制側は、米国の攻撃を耐え抜いたと、プロパガンダにより勝利を喧伝するかもしれないし、むしろ国内外の世論を「反欧米」「反帝国主義」の錦の旗の下で結束させようとすらするかもしれない。 
軍事攻撃を行う上で最も重要な究極の問題がある。すなわちそれを、その「後」で、紛争の解決を促進する外交的努力に結びつけることができるかどうかである。これまでの経緯からいえば、結びつかないであろう。彼ら自身が非合法的かつ不当であるとする攻撃の後で、体制側やその同盟勢力が米国と交渉するムードに転じる道理はない。彼らの計算を十分に狂わせはするが、報復や外交努力を台無しにしない程度に緻密な計算に基づいた攻撃を行えれば、それはそれで理想的ではある。だが、まったく現実性に欠ける。 
米国が軍事攻撃を開始しようとしまいと、その責務は、外交的な打開を実現するためにいかに機会を最適化できるかにある。このためには、これまで一度も実施された試しのない二重のアプローチが必要となる。すなわち、現実的な政治的妥結を図り、尚且つ、ロシアやイランに対し、底なしに悪化し続ける長引く紛争に関わり続けることよりも興味を抱かせるような提案を行うことである。  
これを心がける中で、米国は次の一連の要素に基づく提案を行うべきである。そしてシリアやその友好国は、真摯に、かつ建設的に、これらの要素に基づく提案を検討すべきである。
  1.  この戦争は一刻も早く終わらせなけれならない。この戦争の拡大、地域の不安定化、国際的な事態の紛糾、そして問題の長期化は、どの当事者にとっても有益ではない。
  2.  出口は政治的解決しかない。そのためには全ての紛争当事者が条件の敷居を下げ、広範囲に渡る合意に達しなければならない。唯一有効な打開策は、すべてのシリア関係者の利益を守るような妥結であり、なおかつ地域の戦略的均衡を崩すようなものであってはならない。
  3. シリア危機は、米国とイランイスラーム共和国が地域の問題にいかにして共同で取り組み、地域の安定化を図るかを示す重要な試金石となり得る。
  4.  実効性のある政治的解決策は、現体制が無秩序に存続することを保障するものであってはならない。がしかし、どのようなタイミングで政権移行が行われるかなどの子細については、米国は柔軟性を示せる筈である。
  5. 米国は、シリア国家の崩壊、及びそれによって生じる政治的な(力の)空白を望んでいない。したがって目標は、現状の体制を生かした政権の移行を実現することであり、これに置き換わるものを作り上げることではない。これはとくに、軍の扱いについて言えることである。
  6. 最優先とすべきなのはシリア社会のいかなる部分に対しても、報復や差別、或いは矮小化が起きないような妥結を図ることである。
これらの要素に基づく提案は、国連とアラブ連合の共同特使を務めるラクダール・ブラヒミ特使による「第二次ジュネーブ会議」の緊急招集への動きを新たに呼び起こす礎となるであろう。 

軍事攻撃に関する議論の中で、その是非や、規模や正当性を、国連安保理決議不在の中で論じることは、国際社会にとって最も喫緊な検討事項に対する目を曇らせ、また逸らす結果となっている。すなわち、いかにして政治的解決に向けた動きを再活性化するかという議論である。その合法性に関する議論はさておいても、すべての軍事行動は、それが目標により近づけるものであるか、それとも遠ざけるものであるかによって(その実効性を)判断するべきである。 



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1 件のコメント:

しおさま さんのコメント...

シリアはイラン経由でケッシュ財団の技術を受け取ったから攻撃されている。

http://sunshine849.blog.fc2.com/blog-entry-106.html

このようにケッシュ財団の技術を使えば米軍機を無傷で鹵獲することもできる。
これを潰したいイスラエルが必死にシリアを攻撃しているにすぎない。

日本も去年11月にケッシュ財団から原発問題やエネルギー問題を解決する技術を受け取っているが未だに政府に隠蔽され続けている。
ケッシュ財団の技術が表に出れば世界平和も実現され、環境問題や食料エネルギー問題などは全て解決する。
ケッシュ財団の詳細については

http://www.onpa.tv/2013/08/11/1893

http://sunshine849.blog.fc2.com/blog-entry-118.html

http://blog.goo.ne.jp/narudekon/e/a614779c0fb09de38540b4e86e5c99da

を参照されたい。