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2010/04/14

和訳 "The Futenma issue" by Max-小林

  • click the title for the original article and translation by Max
普天間問題

鳩山政権発足以来の中心的課題といえば、沖縄・普天間基地の移設問題だろう。はっきり言わせてもらおう。この問題に関するアメリカの対応は杜撰すぎる。

どうやら、オバマ政権になっても、アメリカの政府関係者は日本を属国とみなす傾向から脱しきれないようだ。先の総選挙で民主党が勝利した背景に日本社会の変容があるということを彼らは未だに理解できないでいる。

私の目から見ても、一般的な日本人はアメリカに従属する関係ではなく、対等な関係を求めているように見える。実際問題として、在日米軍は日本の防衛に必要ない。自衛隊で十分なのである。

冷戦は遙か昔に終焉を迎え、北朝鮮は無力で、脅威足り得ない存在である。北朝鮮が使用可能な核を配備しているとは、私には到底思えない。確かに、中距離ミサイルは配備しているかもしれないが、それらを日本に向けて撃ったとして、彼らに何の得があるというのか。植民地支配時代の復讐が叶うとでもいうのか。

抑止力の観点でいえば、中国は米国に匹敵する抑止力を持つ。中国は北朝鮮の崩壊を恐れているからこそ、最低限の保障を行っている。しかし中国は過去、北朝鮮がその意に従わなかったときに石油の禁輸措置をとったこともある。仮に北朝鮮が軍事行動に出たとしたら、中国は必ず関与する。だが、中国はそうなることを望んではいない。

化学兵器や通常弾頭のミサイルを数発撃つこと以外に、北朝鮮が日本に対してとれる行動はない。軍の老朽化が進みすぎていて、韓国に侵攻することすら出来ないのが現状だ。

では、中国はどうか。

私は、中国も日本の直接的な脅威にはならないと思う。中国の上陸作戦部隊は台湾侵攻を想定して配備されており、危険の伴う海上補給なしで琉球諸島にまで侵攻する遠征能力を持たない。日本の海自及び海自なら、十分に海上補給を阻止できるし、仮に上陸に成功したとしても、日本側の捕虜となるため増援は期待できない。

したがって、中国が日本に侵攻するとは思えないし、そのメリットもまるでないと思う。私の知る限りでは、中国海軍の増強は南シナ海の制圧と海底油田の確保をその第一目的としていると思われる。これに対して、日本側にできる防衛上の備えとしては、潜水艦部隊の増強がベストな選択だろう。

米軍が日本の防衛に必要でないならば、なぜ彼らは日本に駐留するのか。それは、日本の基地が米軍の世界戦略を支える拠点となっているからである。

では、それが分かったとして、日本に何が出来るのか。

正直、私はアメリカ人が全世界を軍事的観点からしか捉えず、世界の全ての国を軍事的な同盟国であるか敵国であるかで色分けしていることに、いい加減嫌気が差している。そのようにしか、国家間の関係を思考できないのである。日本は友好国なのだから、アメリカの戦争に協力する必要がある、さらに言えば、アメリカと共同で、アメリカの指揮下において自衛隊を派遣する義理がある、と。

個人的には、アメリカが在日米軍を全て撤退させて日米同盟を破棄したら、日米関係の根幹を揺るがす大問題となるだろうと思う。しかし、アメリカの戦争を戦うために自衛隊を海外に派遣する義理はない。

同時に、日本国内で基地がどのように管理されるかについては日本に主張する権利があると私は思う。日本は主権国家なのだということを、アメリカは忘れてしまっているのではないか。 アメリカ人も、妥協することを学ぶべきなのである。

いずれにせよ、アメリカの財政は破綻しているし、アメリカの世界戦略もいずれ終焉を迎える。実際、アメリカは単なる財政上の危機に陥っているのではない。経済社会的な問題が膨れあがり、数年内に内乱に陥る危機さえあるのだ。

そのような事態となったら、アメリカは日本に駐留・滞在する米軍兵士やその関係者を本国に送還する力すら持たないかもしれない。寧ろ日本では、そのような事態に備えておく必要がある。


Original Text by MAX-小林
Translated with permission by Etranger

1 件のコメント:

K.M さんのコメント...

昨日は有難うございました!!なるほど、僕と意見がかなり一致してます。

これからも、参考にさせていただきます。日本の古い考えはそろそろ終わりにしたほうが良いですね。

             
               K.Mより(パーティーと居酒屋でご一緒した者より)